【ライター望月の駅弁膝栗毛】
岡山~松山間をおよそ2時間40分で走る、特急「しおかぜ」。
日中、岡山は毎時35分発に統一、東京毎時10分発の「のぞみ」と接続しています。
JR四国8000系電車は、平成4(1992)年に登場、予讃線・高松~伊予市間が電化し、山陽新幹線でも毎時1本「のぞみ」の運行が始まった平成5(1993)年のダイヤ改正から、本格的に「しおかぜ」に投入され、今年で25年を迎えました。
8000系電車は、平成16(2004)年秋から指定席を中心に木材や木目調の素材を使って、リニューアルが行われたこともあって、落ち着いた雰囲気の車内となっています。
また、洗面所には、砥部焼の手鉢や藍染めの暖簾が使われています。
外観もドアがユニークにカラーリングされて、グリーン席が赤、普通車指定席がオレンジ、自由席は青となり、乗車口によって受ける印象が変わります。
振り子式の車両を活かして、海に山に駆け抜けていく8000系電車。
岡山・高松・松山など、「しおかぜ・いしづち」が発着する駅でもお目にかかることが出来る“海・山の幸”を詰め込んだ駅弁といえば、「三好野本店」が製造する「国産あなごと牛しぐれ煮弁当」(1,180円)かもしれません。
瀬戸内定番のあなごも牛肉も食べたいという、“よくばり“な方への駅弁です。
【お品書き】
・白飯、刻み海苔
・国産あなごの蒲焼き
・牛肉のしぐれ煮
・厚焼き玉子
・わさび昆布
昨年(2017年)、「瀬戸内名物あなごと牛しぐれ煮弁当」として登場した駅弁ですが、この秋から「国産あなごと牛しぐれ煮弁当」に改名されました。
それと言うのも、瀬戸内エリアに穴子駅弁は数多くあれど、“国産”は希少な存在!
そこで、三好野本店の強みである“国産”をより打ち出した…という訳なんです。
香ばしく焼き上げた下関産あなごの蒲焼きと、甘辛のたれでじっくり煮込んだという牛肉のしぐれ煮が一緒に白いご飯の上に載った、じつは“贅沢な”駅弁です。
JR四国も“代表する特急列車”と位置付けている「しおかぜ・いしづち」号。
最近は新鋭の8600系電車も投入されていますが、まだまだ8000系電車も活躍中。
時に瀬戸内海を渡り、あるときはのどかな田園のなかを、新幹線のような流線形の先頭車が、颯爽と駆け抜けて行きます。
ネット限定「四国くるりきっぷ」など、お得なきっぷが出ているいまが出かけ時です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/