【ライター望月の駅弁膝栗毛】
大阪から姫路・播但線経由で、兵庫県の但馬地方へ向かう特急「はまかぜ」。
“天空の城”として人気を集める竹田城跡へのアクセス列車でもあります。
普段の「はまかぜ」は3両の短い編成ですが、山陰の松葉ガニが解禁され、本格的なカニのシーズンを迎える冬は、もう1編成増結して6両編成で運転。
赤いディーゼルカーが、晩秋の播州と初冬の但馬を結んでいます。
姫路で「はまかぜ」に乗り換えて向かう城崎温泉、湯村温泉などの但馬の温泉宿では、この時期、メインのお料理はやっぱりカニ!
となれば、列車のなかくらいは、過ぎ去ろうとしている晩秋の気分を味わいたいもの。
沿線の色づいた木々を眺めながら、例えば、姫路駅弁「まねき食品」の定番、「栗おこわ弁当」(880円)を選んでみるのも良さそうです。
【おしながき】
・栗おこわ
・さば塩焼
・肉団子
・五目煮(蓮根、牛蒡、筍ほか)
・がんも
・玉子焼
・蒲鉾
・花豆
・柴漬け
今年初め、駅弁膝栗毛「駅弁屋さんの厨房ですよ!」でまねき食品に伺った際、おこわの製造現場にもお邪魔していました。
まねき食品のおこわは、全てちゃんと天然の小豆で色を付けているそう。
『自然な赤』の栗おこわと、幕の内の“三種の神器”も入った安心の構成。
たくさん作られる駅弁でも、1つ1つ丁寧に作られていることが分かると、美味しさもよりアップするというものです。
もう1つ、山陽本線の架線の下、ディーゼルエンジンを響かせて駆け抜けて行く列車は、京都発着で山陽本線・智頭急行線経由で鳥取を結ぶ、特急「スーパーはくと」。
智頭急行HOT7000系は振り子式の気動車で、およそ2時間に1本、姫路で山陽新幹線「のぞみ」と接続して、鳥取・倉吉方面のアクセスを担います。
車窓ののどかな風景を眺めながら、老舗ならではの優しい味の駅弁をお供に、鉄道旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/