【ライター望月の駅弁膝栗毛】
朝日を浴びて、早朝の宇野線を駆け抜ける寝台特急「サンライズ瀬戸」。
285系電車「サンライズエクスプレス」の愛称にふさわしい瞬間です。
平成10(1998)年のデビューから今年で20年を迎えた、日本唯一の定期夜行列車。
夜行列車は、目覚めると見知らぬ土地を走っている、あの瞬間がたまらないもの。
寝台特急で迎える朝は、まさに“プレミアムな朝”と言っても過言ではありません。
寝台特急「サンライズ瀬戸」と「サンライズ出雲」が分割・併合を行う岡山駅。
岡山の名物駅弁といえば「三好野本店」の「桃太郎の祭ずし」。
この祭ずしに2018年9月から「桃太郎の祭ずしプレミアム」(1,380円)が登場しました。
じつは今年で、岡山駅弁の祭ずしは、昭和38(1963)年の誕生から55周年!
サンライズのように赤を基調とした包装にも、55周年の文字が大きく躍ります。
【お品書き】
・酢飯(岡山県産朝日米使用)
・錦糸玉子
・有頭海老の酢漬け
・焼き穴子
・鰆の酢漬け
・ままかりの酢漬け
・たこの酢漬け
・あさり煮
・椎茸煮
・たけのこ煮
・いくら醤油漬け
・作州黒豆(岡山県産)
・蟹ほぐし酢漬け、おぼろ
・酢蓮根、紅生姜
包装を開けると、なんと黄金の桃形容器に海老、穴子、鰆、ままかり、たこ…と瀬戸内らしさを感じさせる海の幸をはじめ、色とりどりの様々な食材が“お祭りさわぎ”!
しかも、酢飯には岡山県産「朝日米」を使用するなど、地元食材にもこだわっています。
岡山県産朝日米はコシヒカリ系の米が全国を席巻するなか、西日本随一のブランド米。
お米界の“サンライズエクスプレス”と呼びたいくらい、孤高の魅力あるお米なんです。
三好野本店によると、朝日米は穂が重く、栽培も手間がかかると言いますが、特に酢飯にしたとき、酢とよく馴染む米で、まさに祭ずしにピッタリのお米なんだそう。
その意味でも、プレミアムな祭ずしなんですね。
三好野本店によると、「桃太郎の祭ずしプレミアム」は、下り「サンライズ瀬戸・出雲」が、岡山に到着する朝6:27には、岡山駅改札内2階のお店で購入可能とのこと。
また、朝のサンライズ発着時にはホームに「祭ずし」の幟を立てて販売も行っているそうで、プレミアムバージョンを手に入れたい場合は、何号車に乗車するかを伝えた上で、事前に予約をすれば対応してもらえるということです。
サンライズエクスプレスで朝日を浴びながら、「朝日米」の祭ずしを食べて、“晴れの国・岡山”を巡るのも、じつにプレミアムな旅!
もちろん上り列車でも、夜行列車の朝はプレミアム!
今年も残すところ1か月あまり、「桃太郎の祭ずしプレミアム」は年明けもまだ販売予定とのことですが、祭ずし55周年の今年だからこそ、ぜひ岡山を訪れて味わいたいものです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/