【ライター望月の駅弁膝栗毛】
赤城の山並みをバックに、日本を代表する温泉地の1つ・草津の玄関、長野原草津口を目指すのは、651系電車の特急「草津」号。
上野を出ると赤羽、浦和、大宮、熊谷、高崎、新前橋、渋川、中之条の順に停車し、終着の長野原草津口までは、およそ2時間20分の旅となります。
赤城おろしの冷たい時期、温泉記号入りヘッドマークを掲げた特急が恋しくなります。
温泉へ温まりに行くなら、駅弁も“あったまる”駅弁を選びたいもの。
しかも物理的な加熱式駅弁ではなく、生姜をはじめとした食材によって“体のなかから温まる”駅弁が、例年、「草津」号も停車する高崎駅で販売されています。
その名も、「冬のじんわりあったか弁当」(1,000円)。
おなじみ「高崎弁当」の製造、掛け紙にも「高崎駅限定」と謳われています。
【おしながき】
・生姜ご飯
・上州牛とごぼうの生姜焼き
・パプリカ素揚げ・黒酢の酢豚
・青梗菜と鶏の中華和え
・紅生姜フライ
・しそ団子
・とろろ磯辺揚げ
・柚子餅
「高崎弁当」定番の冬駅弁、今シーズンは「昨季」とは大きく仕様を変更。
ランチバッグタイプの紙容器に入った2段重ねのカジュアルな装いの駅弁となりました。
特におかずの暖色系の彩りが華やかで、ふたを開けた瞬間からあったかい雰囲気。
しかも、メインの生姜ご飯の上には、上州牛とごぼうの生姜焼きが載って、おかずの酢豚などと合わせて、どんどん箸が進みます。
デザートに柚子餅までついて、加熱装置が無くてもぽかぽか気分にさせてもらえます。
特急「草津」に乗ると、渋川では伊香保温泉、中之条では四万温泉、長野原草津口では草津温泉と、それぞれの駅前から路線バスが運行されています。
また普通列車に乗り換えて万座温泉、川原湯温泉、小野上温泉などにもアクセス可能。
風の冷たさを感じたら、高崎の体のなかから温まる駅弁と共に温泉特急「草津」に揺られて、上州の温泉旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/