【ライター望月の駅弁膝栗毛】
東京~伊豆急下田・修善寺間を結んでいる特急「踊り子」号。
グリーンストライプが印象的な185系電車は、国鉄時代の昭和56(1981)年デビューで、少し小さめですが、ヘッドマークの上に国鉄の特急エンブレムが輝きます。
この区間を走っていた153系電車の急行「伊豆」を格上げし、特急「あまぎ」と統合する形で生まれたこともあり、いまや希少な“窓が開く”電車としても知られています。
昼は「踊り子」として活躍する185系電車ですが、朝夕の顔は「湘南ライナー」。
昭和61(1986)年から、東海道本線・東京~小田原間で運行されている座席定員制の有料通勤列車で、カモメの水兵さん風の可愛らしいヘッドマークが印象的。
登場時から185系電車は、ラッシュ前後帯の普通列車を中心に東京・品川~熱海・沼津間などで運行されていましたが、いまは、実質的な“通勤特急”の役割を担っています。
首都圏最後の国鉄形特急電車・185系の「踊り子」号で、東京から1時間40分あまり。
日本有数の湯のまち・伊東の玄関、伊東駅の名物駅弁と言えば、今年(2019年)で駅弁として60年の節目を迎えた「祇園」のいなり寿しです。
この「いなり寿し」、通常は6個入りですが、ハーフサイズの3個入り(340円)もあります。
パッケージが、新たなボックスタイプになっているのが特徴です。
3個入りバージョンでももちろん、ジュワッと煮汁がいっぱいしみ込んだお揚げに包まれた、祇園が誇るいなり寿しがしっかり詰まっています。
伊東駅売店の移転オープンに伴い、隣のカフェと兼用のイートインスペースもできたことで、駅弁を買い求めた方が、すぐに召し上がっていく光景が見られるようになりました。
3個入りですと、食事の時間帯だけでなく、おやつ代わりにも重宝なんですよね。
「いなり→コーヒー」の順番でいただくと、カフェのブラックコーヒーも意外に合うかも!?
いよいよ伊豆の海が恋しくなる季節。
185系電車「踊り子」号の旅を楽しむ計画を立てている方もいると思います。
伊東の「いなり寿し」未体験の方は、まず3個入りをお試し感覚で、伊東駅のイートインスペースでいただいてみるのがいいかもしれません。
良ければぜひお家の方などへ6個入りをお土産で持って行けば、きっと喜ばれるでしょう。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/