小淵沢駅「信州味噌の西京焼き弁当」(1380円)~海へのあこがれが生む美味しい魚駅弁

By -  公開:  更新:

【ライター望月の駅弁膝栗毛】

E353系電車・特急「あずさ」、中央本線・下諏訪~岡谷間

新宿~松本間を最速2時間23分で結んでいる特急「あずさ」号。
一部の列車は東京・千葉発着、あるいは大糸線・南小谷(みなみおたり)まで乗り入れます。
中央本線(東線)は、いまも茅野の先から岡谷までが単線区間。
諏訪湖の畔、上諏訪・下諏訪の温泉街や精密機械工場の間をすり抜けるように、新しいE353系電車が駆け抜けて行きます。

信州味噌の西京焼き弁当

「あずさ」で諏訪・茅野周辺を通ると、車窓にときどき見えるのが味噌工場です。
昭和の戦前~戦後、長野では主力だった製糸業に代わって、大規模な味噌作りが発展。
「信州味噌」は、1つの大きなブランドに成長していきました。
この信州味噌を使った駅弁と言えば、「信州味噌の西京焼き弁当」(1380円)です。
小淵沢・甲府・茅野などで駅弁を販売している「丸政」が製造しています。

(参考)長野県味噌工業協同組合連合会ホームページ

信州味噌の西京焼き弁当

【おしながき】
・茶飯 海苔
・かれいの西京焼き(信州味噌使用)
・玉子焼き
・煮物(椎茸、人参)
・蓮根の金平
・野沢菜炒め
・桜漬け

信州味噌の西京焼き弁当

茶飯の上に海苔が敷かれ、その上にかれいの西京焼きが載っているこの駅弁。
かれいの旨味と信州味噌が、まろやかな味わいを生み出してどんどん箸が進みます。
丸政がある山梨県は、日本トップクラスの魚介類消費量を誇る、魚への渇望感が強い県。
“貴重な魚のいちばんいいところを引き出そう”…そんな海・魚への憧れと食文化が、ギュッと凝縮された丁寧な作りの魚駅弁です。

EH200形電気機関車牽引・貨物列車、中央本線・岡谷~下諏訪間

かつて、駿河や越後から甲斐・信濃へ塩が運ばれ、生活の生命線となった「塩の道」。
中央東線・西線の境となる「塩尻」の地名も、この塩の道に由来すると云われます。
いま、甲信のクルマ社会を支えるのは、中央本線の石油を運ぶ貨物列車。
その意味でも中央本線は、現代版の「塩の道」なのかもしれません。
「あずさ」号で魚駅弁をつまみながらタンク車をたくさんつないだ貨物列車とすれ違ったら、山国の人たちの暮らしに思いを馳せてみるとまた、駅弁もより味わい深いことでしょう。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

Page top