【ライター望月の駅弁膝栗毛】
函館~札幌間を結ぶJR北海道の特急「スーパー北斗」。
パープルのラインが入ったキハ261系気動車で運行される列車が多くなりました。
函館近郊で、四季折々のリゾート気分が味わえる場所と言えば、大沼周辺です。
北海道新幹線の新函館北斗から、大沼公園までは「スーパー北斗」でおよそ10分。
じつは函館市内へ行くより、大沼のほうが新幹線の駅には近いんです。
大沼周辺は昭和33(1958)年、全国で13番目、道南では唯一の国定公園となりました。
大沼・小沼をはじめとした湖は、活火山・駒ヶ岳の噴火によってできた「せき止め湖」。
現在は遊覧船やボートで湖を巡ることができて、天気が良ければ駒ケ岳が望めます。
特急「スーパー北斗」をはじめとした函館本線の列車からは、大沼公園駅の前後で、ほんの少しですが見ることができます。
(参考)大沼国定公園ガイド
そんな四季折々の大沼・小沼の車窓を楽しみながらいただきたい函館駅弁と言えば、今年(2019年)4月に登場したばかりの新作「はこだて四季彩幕の内」(1000円)。
春(4~6月)、夏(7~9月)、秋(10~12月)、冬(1~3月)の、季節ごとに構成が変わっていく幕の内系駅弁で、現在は2作目の夏バージョンとなっています。
製造・販売を手掛けるのは、「函館みかど」のブランドを展開する北海道キヨスクです。
【おしながき】
・うに飯(北海道産米) 蒸しうにと岩海苔あんのせ
・浜焼き風ほたてのバター風味
・厚焼き玉子
・紅白かまぼこ
・ザンギ風唐揚げ
・いかしゅうまい
・煮物(かにつみれ、人参、いんげん)
・花ちらし蓮根
・生帆立ゆず
幕の内と聞くと、白いご飯を思い浮かべますが、ここは北海道。
いきなりドーンと、蒸しうにと岩海苔あんが載ったうにめしが登場して食欲をそそります。
幕の内“三種の神器”の1つ・焼き魚が少し変化球でホタテのバター焼きになっているのも、北海道らしさを感じさせてくれるもの。
ほかにもバラエティ豊かなおかずが楽しめて1000円という価格帯はありがたい限り。
早くも季節ごとのリピートが楽しみになってきました!
大沼を巡る遊覧船は、途中で大沼と小沼の境になっている函館本線の下をくぐります。
タイミングがいいと、特急「スーパー北斗」やキハ40系気動車の普通列車とのジョイントが見られることもありそうです。
夏本番までうっとうしい時期が長かった今年、思い切り新幹線に飛び乗って、開放的な北の大地でリゾート気分を楽しんでみてはいかがでしょうか?
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/