【ライター望月の駅弁膝栗毛】
首都圏最後の国鉄形特急電車として活躍する185系電車。
昭和56(1981)年、急行「伊豆」を特急「踊り子」に格上げする際に登場した車両です。
当時、急行「伊豆」の車両(153系電車)は、朝夕の通勤時間帯、“湘南電車”の助っ人にも入っており、185系電車にも東海道線の普通列車として走る役割が求められたといいます。
実際、平成25(2013)年まで185系電車は、早朝の普通列車伊東行として活躍していました。
(参考)「鉄道ピクトリアル」2000年2月号
同じような役割を求められていたのが、JR東海の373系電車。
コチラは、平成8(1996)年、急行「東海」(165系電車)を特急に格上げする際、東海道本線・東京~静岡間の普通列車にも登場、快速「ムーンライトながら」と共に親しまれました。
いまも静岡地区の朝ラッシュの助っ人として、沼津~熱海間の普通列車として走る時間も…。
2ドア・両開き、デッキとの仕切り戸なしという、思い切ったデザインも話題を呼びました。
国鉄時代から、様々な車両が走ってきた東海道本線。
そんな旅の思い出を思い浮かべながらいただくのは、沼津駅弁「桃中軒」の秋季限定駅弁「三嶋物語 秋日和」(1000円)かもしれません。
今年(2019年)もテーマは、“豊かに楽しむ三島の秋”。
三島ゆかりの秋の味覚がたっぷり詰まった2段重ねの駅弁です。
【おしながき】
(一の重)
・三島しめじ有馬煮の豚肉巻き
・三島甘藷の磯辺揚げ 松の実入り
・鯖の南蛮漬け
・三つ葉入り卵焼き
・海老の酒塩
・秋の吹き寄せ煮 まつたけ里芋添え
(弐の重)
・錦秋炊き込みご飯~三島しめじと秋鮭、銀杏をのせて~
・葉わさびの佃煮
今季の「三嶋物語 秋日和」は、9月10日から販売が始まりました。
豚肉巻きと炊き込みご飯に使われている「三島しめじ」は、こだわりの菌床で栽培。
箱根西麓で土づくりからこだわって栽培されているサツマイモを使った「三島甘藷の磯辺揚げ 松の実入り」も健在です。
観光はもちろん、ビジネスなどで頻繁に三島・沼津を訪れる方なら、桃中軒の季節駅弁はハズレなしで楽しめることでしょう。
現在は、沼津・伊東から東北本線(宇都宮線)・高崎線へ直通する東海道本線の普通列車。
朝夕の沼津直通列車に乗ると、神奈川~三島・沼津間の通学客も多く見られます。
先日、令和3(2021)年からTOICAエリアが熱海まで拡大されるのに合わせ、IC定期券は、熱海駅をはさんだ利用(定期区間内)が可能になると発表され、一歩改善が進みそうです。
観光的にも熱海駅は、国立公園を構成する富士・箱根・伊豆の結節点。
交通系ICカードによる、より一層スムーズな移動が期待されるところです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/