【ライター望月の駅弁膝栗毛】
名古屋からやって来た特急「しなの」号が、姨捨から善光寺平へ駆け下りてきました。
特急「しなの」は、長野県内に入ると、長野と松本の2大都市を結ぶ役割を担います。
早朝、北陸新幹線「かがやき501号」~「しなの4号」と乗り継ぐと、松本には8:36着。
東京からは始発の「あずさ1号」より約1時間早く、松本へ入ることができます。
特に東京の東側に住む方にとっては、中信地域へのアクセスにも便利な列車です。
特急「しなの」の383系電車は、カーブで車体を傾けることができる「振り子式」のユニークな車両ですが、長野の幕の内駅弁も、なかなかユニークな存在です。
その名も、「信濃路幕の内弁当」(1100円)。
紙蓋には、長野の地図に県花・リンドウ、ニホンカモシカ、ライチョウなどが描かれています。
長野駅弁を手掛ける「デリクックちくま」が製造、長野駅「駅弁科の木」で販売されています。
【おしながき】
・栗おこわ
・山菜おこわ
・信州サーモン味噌漬け焼き
・信州しめじと牛肉のしぐれ煮
・信州エリンギ茸フライ
・鶏ささみ えごま揚げ
・炊き合わせ(高野豆腐、こんにゃく、里芋、筍、椎茸、蕗)
・あんずシロップ漬け
幕の内と言うと、白飯に「焼き魚・蒲鉾・玉子焼き」が定番とされますが、「信濃路幕の内弁当」は、ご飯がいきなり、栗おこわ&山菜おこわの“Wおこわ”という変化球。
焼き魚も信州サーモンを味噌漬け焼きしており、“信州満開”な構成となっています。
しめじ・エリンギといったきのこを使ったおかずや、デザートのあんずも“ザ・信州”!
信州の幸を少しずつ、たくさんの種類をいただくことができる有難い駅弁です。
長野エリアでは、しなの鉄道で国鉄時代からの115系電車が活躍中。
篠ノ井~長野間ではJR線に乗り入れ、時間帯によっては、そのまま北しなの線(長野~妙高高原間)へ直通していく列車もあります。
日中時間帯なら、のんびりとした雰囲気が楽しめるローカル列車の旅。
少し懐かしいモーターの音を聞きながら、駅弁を楽しむのもまた贅沢なひとときです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/