【ライター望月の駅弁膝栗毛】

113系電車・普通列車、山陽本線・東尾道~尾道間
山陽本線の下り普通列車が、尾道のまちに入って来ました。
列車は国道2号に沿って山裾に弧を描きながら、この春に新駅舎がオープンしたばかりの尾道駅を目指します。
最寄りの山陽新幹線「のぞみ」停車駅・福山から尾道までは、普通列車でおよそ20分。
新幹線にこの在来線の“チョイ乗り“をプラスすると、鉄道旅はより楽しくなりますね。
(参考)JR西日本ニュースリリース・2018年12月19日分

尾道の夕景
久しぶりに、夕方の尾道を歩いてみました。
尾道水道の向こうには、夕日で赤く染まった空。
そのなかを時折、市街地と向島を結ぶ渡船がドッドッドッ…と行き交います。
映画のような情景ですが、これが尾道の日常。
世代を超えて、街歩きを楽しむ人の姿も目立ちます。

尾道の夜景
この日はロープウェーがお休みだったので、歩いて千光寺山へ登ってみました。
夕方5時前、日の入りを迎えると、今度は夜景へと移り変わっていきます。
しまなみ海道の新尾道大橋にも照明が灯って、真ん中を小さな船が進んで行きます。
12月、空気は少し冷たいものの、坂道を上り下りするには、心地いいくらいの気温。
何度訪れても、尾道は街歩きが楽しいまちです。

尾道の猫
坂道のいろいろなところに、猫がいるのも尾道らしい風景。
人懐っこい猫がスリスリと寄ってきて、手提げ袋のなかに顔を突っ込んできました。
袋から顔を出すと、思わず舌をペロリ。
おっ、なかなか抜け目のない猫ですね。
私が駅のコインロッカーに預け忘れて、袋のなかに入っていたものとは?

あなごあいのせ重
三原駅弁「浜吉」が製造している「あなごあいのせ重」(1150円)でした。
オジさんは駅弁レポートをしなくてはいけないので、猫ちゃんにあげるわけにはいきません。
“あいのせ”とは、煮穴子と焼き穴子が両方載っているという意味。
しかも、煮穴子は関東風、焼き穴子は関西風と、東西の味を1つの折に詰めこんでいます。
西日本エリアの駅弁ではちょっと珍しい、関東系の味を入れている駅弁です。

あなごあいのせ重
【おしながき】
・味付けご飯
・煮穴子
・焼き穴子
・飾り人参
・ガリ

あなごあいのせ重

あなごあいのせ重
スリーブ式の包装を外すと、食欲をそそるテカリと共に煮穴子と焼き穴子が見えてきました。
やわらかく煮こまれた煮穴子、香ばしく焼き上げられた焼き穴子共に、穴子そのものの食感を残した薄めの味付けが特徴。
そのままでも十分にイケますが、「浜吉のたれ」とロゴも入ったたれをかけていけば、さらに濃いめの味も楽しめるのが嬉しいものです。
「浜吉」の穴子系駅弁では近年、一番人気を誇っているというこちらの駅弁。
最近のお客様の嗜好や催事などでの全国展開を踏まえ、関東系の味も入れているそうです。

115系電車・普通列車、山陽本線・尾道~東尾道間
夕暮れの尾道のまちを走る、山陽本線の115系電車。
尾道からは、福山方面に乗車すると尾道大橋、尾道水道を望むことができます。
一方、三原方面へ乗ると、お隣・糸崎にかけて山陽本線随一の美しい車窓が楽しめます。
街歩き、古寺巡り、文学散歩…、いろいろな楽しみ方のある尾道ですが、山陽本線でアクセスすると、より一層楽しめること、間違いなしです。
連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/