【ライター望月の駅弁膝栗毛】
九州・博多から鹿児島本線・長崎本線・佐世保線を経由して、佐世保を結ぶ特急「みどり」。
主力はJRグループ初の特急車両として、昭和63(1988)年にデビューした783系電車です。
“ハイパーサルーン”の愛称を持つ783系電車は、車両の中央にドアがあるのが特徴。
各車両は「A室・B室」に区分され、指定席・自由席などをきめ細かく設定しています。
博多~早岐(はいき)間は、特急「ハウステンボス」と併結する列車もあります。
特急「みどり」「ハウステンボス」も停車するのが、佐賀県にある佐世保線・武雄温泉駅。
武雄温泉の最寄り駅であると同時に、嬉野温泉の玄関口でもあり、武雄温泉駅~嬉野温泉~彼杵(そのぎ)駅(JR大村線)間には、JR九州バスも運行されています。
この武雄温泉駅の駅弁を手掛ける「カイロ堂」も、京王百貨店新宿店・第55回「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」に出店しています。
2週間にわたって続いてきた京王の駅弁大会も、いよいよ本日(1/21)が最終日。
私も昼どきを中心に、何度か会場に足を運んでみました。
しばしば行列ができていたのが、「カイロ堂」の「佐賀牛ザブトンステーキ・ローストビーフ・ロースすき焼き弁当」(1998円)。
掛け紙自体は、通常の佐賀牛弁当と同様で、中身がグレードアップしているようですね。
【おしながき】
・白飯
・佐賀牛ザブトンステーキ
・佐賀牛ローストビーフ
・佐賀牛ロースすき焼き
・なます
佐賀牛とは、JAグループ佐賀管内で肥育された4・5等級、BMS値7以上のブランド牛。
ザブトンとは1頭の牛から数kgしか取れないという希少部位で、確かにこれは柔らかい。
佐賀牛の焼肉屋さんを持つ「カイロ堂」だけに、この強みを活かした弁当とも言えそうです。
そのままでも十分イケますが、お好みでレモン風味のたれをかけていただくことができます。
“ザブトン”と銘打ったことでも、食欲がそそられますから、ネーミングにも座布団1枚!
コチラの駅弁、現地での販売は、当分続く催事期間中、予約制で受け付けるとのこと。
駅弁大会は、ひとつの“お祭り”。
ココで打ち上げた花火が、どのようにレギュラーに活かされていくか、興味深いところです。
なお、武雄温泉駅は、九州新幹線(西九州ルート)の武雄温泉~長崎間が開業すると、令和4(2022)年度にも、リレー列車との乗換え駅となり、今後が注目される駅でもあります。
(参考)長崎県ホームページ
今後、大きな駅弁大会は、大阪の阪神百貨店、熊本の鶴屋百貨店と続いていきます。
駅弁屋さんは、全国行脚が続くスタッフもいれば、地元に戻って、今回の催事で拾い集めたお客様の声や、他社さんのいいところを駅弁作りにフィードバックしていく作業もあります。
京王百貨店のみなさんも、1ヵ月ほどすると、早くも来年(2021年)に向けて走り出していきます。
主要駅で全国の駅弁が通年販売となり、地方の駅弁について昔ほどの枯渇感がないなか、全国有数の駅弁大会も、来る60周年へ向けて、どんなグランドデザインを描いていくのか。
「駅弁膝栗毛」は、今年(2020年)も全国の駅弁屋さんに伺って、生の情報をお伝えしてまいります。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/