【ライター望月の駅弁膝栗毛】
山陽新幹線と九州新幹線を直通する「みずほ」と「さくら」。
かつては共に、東京~九州間の寝台特急として活躍した愛称ですが、平成23(2011)年の九州新幹線(鹿児島ルート)全線開業に合わせて、新幹線の愛称となりました。
現在は、「みずほ」が「のぞみ」に相当する停車駅の少ない列車、「さくら」は「ひかり」に相当する主要駅に停車する列車として、N700系新幹線電車の8両編成で運行されています。
山陽新幹線のLED表示では、「のぞみ」の黄色、「ひかり」の赤、「こだま」の青に加えて、「みずほ」がオレンジ、「さくら」がピンクと、各列車が5つの色で表示されています。
そんな山陽新幹線・姫路駅の駅弁を手掛けるのが、「まねき食品」。
開催中の京王百貨店・新宿店、第55回「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」では、「黄金の駅弁対決」の一角として参戦しています。
2020年らしく、ネーミングは「五色穴子の輝弁当」(1350円)!
「輝」のところには、「かがやき」とルビがふられていますね。
昨年(2019年)は、「四味穴子重」で人気を博した「まねき食品」ですが、今季はさらに1品をプラスして、5つの穴子の味が楽しめる駅弁となりました。
メダルを想起させるわっぱ型の容器もいいですね。
【おしながき】
・だし飯
・穴子(炙り煮穴子、醤油焼き穴子、炭焼き風穴子、酒蒸し穴子、刻みたれ和え)
・錦糸玉子
・山菜醤油漬け
・小松菜漬け
・大根甘酢漬け
まねき食品ではおなじみの「えきそば」のだしで炊いた「だし飯」の上に、焼き、蒸し、煮穴子など、5つの味の穴子が彩り華やかに載っていて、箸がどんどん進みます。
「元祖幕の内の駅弁屋ですから、穴子に5つの工程があるのは、まったく苦じゃありませんね」
そう胸を張るのは、2019年に就任された「竹田典高社長」。
いただくほうもぜひ、自分自身の「五感」をフル活用して、見た目、香ばしさ、歯ざわりなど、5つの穴子の味を存分に堪能したいものです。
山陽新幹線「のぞみ」と接続して、山陰・鳥取を結ぶのが特急「スーパーはくと」号。
第三セクター・智頭急行のHOT7000系気動車は、東海道・山陽本線(神戸線)を経由して、大阪・京都まで直通運転されています。
姫路で新幹線~在来線特急をお乗り換えの際は、国宝・姫路城を眺めるだけでなく、こだわりの駅弁にもしっかりと注目していきましょう。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/