新型コロナウイルスの影響、職場であなたは……?
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「報道部畑中デスクの独り言」(第178回)
ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム。今回は、感染拡大が続く新型コロナウイルスの影響について---
「極めて重要な時期。多数の方が集まるような全国的なスポーツ・文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は中止・延期、または規模縮小等の対応を要請する」
感染拡大が続く新型コロナウイルス。今週もさまざまな動きがありましたが、2月26日の政府の対策本部で、安倍総理大臣はこのような異例の要請を行いました。これによってさまざまなイベントで中止・延期の動きが出ています。
「大規模な感染拡大が認められている地域があるわけではない」とする政府の基本方針の一方で、今回の要請は「わが身」として捉えるべきステージに入ったことを実感するものとなりました。
影響は各企業にも及んでいます。日産自動車では25日の新車発表会で、通常は多くの報道陣を集めて開くところを、質問も含めてインターネット中継で行うという異例の対応をとりました。
「本日の日産新型ルークスの発表会は、昨今の状況を鑑みてインターネットによる、日産としては本邦初の発表会とさせていただく」(星野朝子副社長)
発表会では車両に司会者が実際に乗り込んで、エンジニアとともに紹介する形をとっていましたが、“生中継”のため、段取りがスムーズに行くよう、相当な準備がうかがえるものでした。関係者は急な対応でさぞ大変だったのではないかと思います。
ちなみに今回の新型ルークスは、昨年(2019年)発売された軽自動車「デイズ」の車高を上げた派生版。かつては「デイズ ルークス」でしたが、今回デイズがとれて独立した車名となりました。これまでの運転支援技術「プロパイロット」にミリ波レーダーが追加されて、より遠くにあるクルマを検知できるということです。製造は従来通り、三菱自動車工業水島製作所になります。
日産では以前お伝えした通り、部品調達の関係で一部の工場で生産調整が続いていますが、その他社員に対し、不要不急の出張自粛、在宅勤務・時差通勤の推奨、多数(30名以上を目安)が集合する会議の設定や参加の自粛などの対策を講じているということです。
その他、職場ではどんな対応、影響が出ているのか…ビジネス街、東京・八重洲で聞いたところ、さまざまな声がありました。
「時差出勤で、いつもは9時だが10時半に出て来た。混雑がないので出勤しやすいが…」(営業職)
「クライアント対応がしっちゃかめっちゃかになっている」(人材派遣)
「会議、イベントも中止、外出や出張を控えるように指示が出ている。中国からの輸入も止まっているので、今後影響が出て来るのではないか」(商社)
「マスク着用。打ち合わせでは出なくてはいけないが、なるべく自宅から出ないようにはしている。プライベートもスポーツクラブに行っていない」(IT関連)
「社内で検討中。情報がなく、他のお客さんに聞いて回っている状態。むやみに出るなと言われているが、出ないわけにいかない。お客を取ってナンボなので」(非鉄金属 営業)
「オフィスでは休めたり、時差出勤などもあるけれど、私たちにはない。危機感はある」(清掃業)
言うは易し行うは難し…特に外勤の人々は、多くの人と会ったりするのが仕事であるだけに、率直な悩みもありました。また、ライフラインに携わる人々も同様です。
また、最後の清掃業の女性はこんなことも話していました。
「マスクがポンポン捨ててあるから…もうちょっとマナーを守ってもらいたい」
新型コロナウイルスに対して、感染拡大の阻止、そのための自衛策が重要であることは言うまでもありませんが、感染のリスクは意外なところに潜んでいる可能性があります。「自分さえよければいい」という気持ちがどこかにないか…そんなことも頭に入れた行動が必要です。
海外からは日本の対応のまずさを指摘する報道もありますが、マスクの扱い方にも1人1人の行動が試されているのではないかと思います。
なお、マスク製造「ワークアップ」のHPによりますと、不織布マスクを廃棄する際は、ビニール袋に入れて捨てるか、ふたの付いたゴミ箱に入れ、マスク表面についた汚れに触れる可能性を少なくするよう呼びかけています。(了)