【ライター望月の駅弁膝栗毛】
東京~新函館北斗間を最速3時間58分で結ぶ、東北・北海道新幹線「はやぶさ」号。
宇都宮を過ぎると、最高時速320Kmにアップして、“本気の”走りを見せてくれます。
残念ながら5月28日からは、定期列車も2割~5割程度の減便が予定されていますが、落ち着いた時期には、東北・北海道へ快適な新幹線の旅を楽しみたいもの。
そろそろ、青森・函館の温泉や透き通ったイカ刺身の味が恋しくなってきたころですよね!
(参考)JR東日本ニュースリリース・2020年5月8日分
駅弁屋さんも例外なく厳しい状況ですが、全国の駅弁屋さんは、さまざまな知恵をしぼって、“いまだから食べたい”駅弁の開発やドライブスルーなどの販売スタイルを構築しています。
135年前に駅弁が生まれた地とされる宇都宮の「松廼家」では、地元の無病息災のシンボル「きぶな(黄鮒)」にちなんだ、4種類の「きぶなカレー」を開発しました。
特別に送っていただいた今回は「きぶなカレー(プレミアムブラックシーフード)」(900円)!
【おしながき】
・ターメリックライス
・イカスミソース ココナッツミルク 豚肉 玉ねぎ 人参 ナンプラー
・ゆで卵
・赤パプリカ
・ヤングコーン
・オクラ
・発芽にんにく
「きぶなカレー」は、紐を引き抜いて蒸気で温める加熱式容器なので、いつでもホカホカ!
ふたを開けた瞬間、蒸気がいい香りと一緒に立ち上るのが、加熱式の醍醐味ですよね。
イカスミソースを使ったブラックは、黄・黒・赤・緑の彩りが鮮やかで、気持ちも晴れやか!
シーフードのうま味を感じつつ、スパイシーさはそのままにマイルドな食感が楽しめます。
辛いカレーが苦手な方は、ブラックシーフードがお薦めかも。
“カレーは辛くなくちゃ!”というエスニック料理好きには、グリーンキーマもよさそう。
「きぶな」型のターメリックライスと、刻んだ「岩下の新生姜」が栃木らしさを演出します。
「松廼家」によると、宇都宮に伝わる「きぶな」の形にヒントを得て生まれたというこの駅弁、
賞味期限の関係もあり、4種ローテーションで宇都宮駅での販売、栃木県内の配送のみとなっていますが、購入された方には「きぶなの折り紙」1枚のプレゼントもあるそうです。
いまは大事な人のいのちを守るために、都道府県を越えた移動が自粛されていますが、全国の駅弁屋さんは、地域の皆さんに寄り添いながら、常に「前向き」で頑張っています。
無病息災、基礎体温上昇、免疫活性を祈願して作られた宇都宮の新作「きぶなカレー」。
新生姜・にんにくなどの食材はもちろん、駅弁発祥の地にふさわしい駅弁屋さんの意地と商品化のスピード感にも、間違いなく「元気もいただく」ことができる駅弁です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/