【ライター望月の駅弁膝栗毛】
富山湾越しの立山連峰をバックに走るディーゼルカーは、氷見線(高岡~氷見間)、城端線(高岡~城端間)の観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」。
フランス語で「美しい山と海」の意味で、「べるもんた」の愛称で親しまれています。
北陸新幹線が金沢開業した年・平成27(2015)年から週末を中心に運行されていますが、残念ながら、5/27現在は運休が続いています。
(参考)JR西日本ホームページ、ニュースリリース(2020年4月7日分)
氷見といえば、冬場の寒ブリに代表される「魚のまち」。
富山の駅弁選びでも、「ますのすし」と「ぶりのすし」のどちらにするか迷ってしまいますね。
でも、引き続き都市部では“ステイ・ホーム”が推奨され、家族と過ごす時間が多いいまなら、富山駅弁「源」の「オンラインショップ」で、両方一緒に注文してしまうことも可能。
オンラインショップ内、カテゴリの「ぶりのすし」を選ぶと、関連駅弁が登場します。
今回選んだのは、「ますぶりすし重ね」(3000円)。
前回、ご紹介した「ますのすし(二重)」と同じく、通常の「ますのすし(一重)」「ぶりのすし」より少し厚めのパッケージに、少し厚さのある曲げ物が入っています。
この曲げ物には、それぞれ笹の葉に包まれた「ますのすし」が下段、「ぶりのすし」が上段に重なっており、地元の竹と源オリジナルのゴムでギューッと押されながら自宅に届きます。
「ますのすし」と「ぶりのすし」を一緒に味わうことができる「ますぶりすし重ね」。
「ぶりのすし」は、“ますのすしに並ぶ、ふるさとの味を作りたい”という気持ちから、3年の歳月をかけて開発された、源・オリジナルの押寿しです。
ます・ぶりの“紅白”の彩りの違いも対照的ですが、一緒に味わうことで、それぞれの寿しの美味しさを感じることができます。
北陸の郷土の味・かぶら寿しをベースに作られたという「ぶりのすし」。
昭和32(1957)年発案と言いますから、すでに60年以上の歴史があります。
脂がのったぶりと、かぶらの歯ごたえ、人参の彩り、昆布としょうがの隠し味、それぞれのハーモニーが楽しい駅弁。
家で過ごす時間が長いときだからこそ、じっくりと味わいたい伝統の味です。
「天然のいけす」とも云われる富山湾。
氷見をはじめ、富山でいただく魚ほど美味しいものはありませんが、東京など都市からの長距離移動が望まれない間は、通信販売のお世話になりたいもの。
旅の高揚感のなかでいただく駅弁と、家でじっくり味わう駅弁。
じつは、この食べくらべも楽しいのが、“Stay at Home”なのです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/