【ライター望月の駅弁膝栗毛】
佐世保線・武雄温泉駅付近の高架線を行く、黒い車体の「みどり」号。
この787系電車は、平成4(1992)年、門司港・博多~西鹿児島間の特急「つばめ」としてデビューし、新幹線開業後は九州各地の特急として活躍しています。
今年(2020年)秋には、この車両を使用した新たな観光列車「36ぷらす3」も運行予定。
また、2022年度には、武雄温泉~長崎間を結ぶ新幹線の開業も予定されています。
(参考)JR九州ホームページ、長崎県ホームページほか
現在、武雄温泉~有田間は、特急「みどり」で約15分。
「やきもの」のまちの玄関・JR有田駅には、平成19(2007)年に誕生した名物駅弁「有田焼カレー」があり、駅や店での販売はもちろん、遠隔地の通信販売にも対応しています。
この焼カレーを手掛ける「有田テラス」には、もう1つの名物で同じく有田焼の器を使ったスイーツ、「有田焼チーズケーキ」があります。
“幸せのチーズケーキ”という愛称を持つ、「有田焼チーズケーキ」。
今回は、「有田焼チーズケーキ(Sサイズ・ねこ)」(1980円)を買い求めました。
「有田テラス」によると、平成8(1996)年にカフェ&レストランとして始まった際、焼カレーの前身“カレードリアン”のデザートとして開発されたのが、このチーズケーキだったそう。
冷凍で届いた際は、2時間ほどかけて自然解凍し、いただくのがお薦めです。
掛け紙を外して、赤い箱を開けると、甘い香りと共に、焼カレーの小サイズと同じ大きさの有田焼の器に入った、まぶしいくらいのチーズケーキが顔をのぞかせました。
こだわりぬいたクリームチーズや国産バター、卵を使って作られたという生地にスプーンをスッと入れると、これがもう、ホントにふわっふわ!
さらに口のなかでとろけていく食感は、甘いもの好きの方なら、ほぼリピーター確定です。
JRの駅長さんと有田の町おこしプロジェクトから生まれた焼カレー駅弁&チーズケーキ。
「有田テラス」によると、カレーもケーキも美味しく焼きあがる背景には、やはり「有田焼」の遠赤外線効果があるとのこと。
なるほど!「有田焼カレー」も「有田焼チーズケーキ」も、単に有田焼の器に入った駄洒落駅弁ではなく、「やきもののまち」ならではの美味しさが詰まった駅弁だったんですね。
有田駅からは、第3セクターの「松浦鉄道」西九州線が、伊万里方面へ出ています。
例年、大型連休に多くの人を集めている有田陶器市も、今年(2020年)は、オンラインで「Web有田陶器市」として開催されました。
「有田テラス」の皆さんも、「通信販売」をやっていて、本当によかったと話します。
「やきもの」のまちを散策できる時期まで、通販で食とやきもの文化を守りたいものです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/