【ライター望月の駅弁膝栗毛】
平成27(2015)年の金沢開業から5周年を迎えた北陸新幹線。
都道府県(生活圏)を越えた移動に自粛が求められるなか、昨年(2019年)の水害被害に加えて、開業以来、最も厳しい試練のときを迎えています。
すでに特急「サンダーバード」などに接続する金沢~富山間の「つるぎ」の減便が決まり、今後は首都圏に直通する「かがやき」「はくたか」の減便も予定されています。
(参考)JR西日本ニュースリリース・2020年5月8日分
いまは「人は動かず、物は動かす」のが、多くの人が幸せになれる方法。
石川県の北陸本線・加賀温泉駅を拠点に、金沢駅でも駅弁を販売する「高野商店」では、大型連休前の4月27日から、新たにクレジット決済で、駅弁の通信販売を始めました。
高野商店のウェブサイト内に設置された通信販売のページに進んでいけば、クリック(タップ)1つで、北陸の美味しい駅弁が我が家にやって来ます。
面白いのは、金沢駅などでも見かけるレギュラーの駅弁も、「冷凍」で届くこと。
‐15℃以下で保存すれば、賞味期限は半年後ですので、食べたいときが旬の味です!
今回は、平成28(2016)年発売の「炙りのどぐろ棒寿し」(1600円)をご紹介。
世界的に有名なテニス選手の発言に北陸新幹線金沢開業が重なったことで、「のどぐろ」は、一躍有名な海の幸になりましたよね!
レギュラー版の「炙りのどぐろ棒寿し」は昔ながらの笹の皮で包まれていましたが、冷凍版は密封された袋に包まれており、袋のまま「流水」で解凍していきます。
水道水であれば、少し長めの20~25分程度がお薦め。
「炙りのどぐろ棒寿し」は、製造工程の都合上、セロハンによる包装が厚めに施されており、解凍時間がやや長めとなっているんですね。
【おしながき】
・すし飯(石川県産)
・のどぐろ(赤ムツ)
・昆布
・きざみ生姜
封を開ければ、白板昆布の下に、キラッとテカり、脂がのった「のどぐろ」が!
炙りの焦げ目が、酢飯の香りと相まって、食欲をそそります。
“創業明治29年の駅弁屋が米と酢にこだわった押し寿しを冷凍でご提供いたします”と書かれた説明文を読まなければ、先ほどまで冷凍されていたことを忘れてしまいそう。
「高野商店」によると、「炙りのどぐろ棒寿し」は、昨年(2019年)に少しリニューアルして、のどぐろのサイズが少し大きくなったそうです。
平時であれば、金沢から能登半島方面へ足を伸ばしていた方も多かったはず。
残念ながら、七尾線の観光列車・特急「花嫁のれん」も、すでに4月から運休中です。
また、行ける時期になれば、東京から北陸新幹線に乗れば約2時間半で到着する金沢ですから、そのときまでの御辛抱。
それまでは、快適“通販”駅弁生活を送りましょう!
(参考)JR西日本ニュースリリース・2020年4月8日分
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/