【ライター望月の駅弁膝栗毛】
甲府から上って来た特急「かいじ」号が、終着・新宿に向けてラストスパート。
「かいじ」は、「あずさ」と比べて停車駅が多めに設定されており、八王子~甲府間では、大月・塩山・山梨市・石和温泉にも停車する他、一部列車は竜王発着となります。
新宿~甲府間の「あずさ」との時間差は10分程度で、比較的ゆったり利用できる傾向。
“密”を避けたい方には、「かいじ」の利用が吉となることが多いですね。
山梨からの帰路、クリスマスに駅弁をいただくなら、やっぱり鶏肉の駅弁でしょうか。
もしも今年(2020年)選ぶなら、春の大型連休に登場した新作で、小淵沢駅で予約販売(10~16時)されている「高原野菜とからあげの弁当」(1100円)ですね。
風味のいいカリカリの唐揚げに、シャキシャキの高原野菜の食感がたまらない駅弁。
唐揚げにガブリと喰らいつけば、十分にクリスマス感も味わえそうです。
でも、このご時世、東京から山梨へ足を運ぶのはチョット……という方も多いはず。
じつはこの駅弁を手掛ける「丸政」、2020年8月に東京都内の「伊勢丹新宿店」に常設店を構え、さっそく好評を博していると言います。
「元気甲斐」や「そば屋の天むす」といった名物駅弁をはじめ、この唐揚げ駅弁をベースに百貨店仕様とした「醤油鶏」等の限定弁当なども登場しています。
今年ほど、鉄道旅に逆風が吹いた年はなかったように思います。
そのなかにあって、全国の駅弁屋業者は、さまざまな形でコロナ禍と向き合い、駅弁文化を守るために、新作駅弁の開発や新たな販路の開拓を進めています。
大都市から遠くのまちへ行きにくいクリスマスは、身近なところで駅弁屋さんの技が詰まった鶏肉(駅弁)を味わってみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/