もともと眼瞼痙攣の治療として行われていた「ボトックス」

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東京都医師会代議員会・議長、世田谷区医師会会長で「三軒茶屋眼科」院長の窪田美幸氏が10月28日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。眼瞼痙攣や島嶼部に多い翼状片について解説した。

もともと眼瞼痙攣の治療として行われていた「ボトックス」

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

「眼瞼痙攣」と「片側顔面痙攣」

新行市佳アナウンサー)ちょっと疲れたかなというときに、目がピクピクと引きつったり痙攣したりすることがたまにあるのですが、これはどういう症状なのでしょうか?

窪田)眼瞼痙攣(がんけんけいれん)というものですが、痙攣するにしても、両眼がピクピクするような「眼瞼痙攣」と、顔の片側が引きつれるように痙攣する「片側顔面痙攣」というものがあります。

新行)2つの症状で原因は違うのですか?

窪田)簡単な痙攣の場合は、疲れや睡眠不足などが原因で、そのまま様子を見ていると自然に治癒することが多いです。しかし、痙攣がひどくなって、まぶたが開けられなくなったり、あるいはあまりにもひどい場合には、「ボトックス」という注射を目の周りに打って治療します。

もともと眼瞼痙攣の治療で行われていたボトックス

新行)ボトックスという言葉は美容の方で耳にすることが多いのですが、眼瞼痙攣にも治療として使われているのですね。

窪田)もともとボトックスというものは、眼瞼痙攣で使用していた患者さんの目の周りを見たら、しわが減ったということで美容に応用されるようになったと言われています。

新行)もともとは眼瞼痙攣の治療から始まっていたのですね。

窪田)そうですね。

ボトックスの効果は3ヵ月くらい

新行)ボトックスの注射を打った場合は、どのくらいの期間でもう1回打たなければいけないのでしょうか?

窪田)ボトックスの作用として、まず注射してから4~5日で効いて来ますが、だいたい3ヵ月で元に戻ってしまいます。個人差はありますが、少し効果が落ちて来たらまた注射を継続する形で治療を進めて行けばいいと思います。

もともと眼瞼痙攣の治療として行われていた「ボトックス」

窪田美幸氏、新行市佳アナウンサー

かつては島嶼部でも治療していた窪田先生

新行)先生はよく手術を行うのですか?

窪田)いまは開業していますので、あまり手術に携わることはないのですが、昔は本当に手術が大好きでした。

新行)どういう手術をされていたのですか?

窪田)一般的な白内障手術や、緑内障手術。それから、島嶼の方へ診療に行っていましたので、そういう地域でよく見受けられる「翼状片」の手術をしていました。まぶたの簡単な手術などはいまでもやっています。

新行)島嶼部でも治療をされていたと伺いましたが、どのような島に行かれたのですか?

窪田)都立病院に勤務していたので、いわゆる東京都の島嶼部としては大島、三宅島、神津島、新島。さらに、御蔵島や八丈島まで行っていました。

島嶼部で多い「翼状片」

新行)島嶼部で多い目の病気や症状はあるのですか?

窪田)特殊なものでは「翼状片」という病気があります。

新行)先ほども名前が出て来ましたけれど、どういう症状ですか?

窪田)翼状片というのは、結膜の一部分(白目)が、黒目の方にくさび状に伸びて来る病気です。

新行)自覚症状はあるのですか?

窪田)大きな翼状片になりますと、目が動かしにくくなるとか、乱視がひどくなるような障害が出て来ます。あとは目が赤くなります。

漁師に多い「翼状片」

新行)翼状片が島嶼部に多い理由は何ですか?

窪田)島嶼部に多い理由としては、紫外線が関係するからです。漁師さんに多い病気だと言われています。

新行)職業病なのですね。

窪田)そうですね。あとは、埃が多いところにいらっしゃるとか、目を擦るくせのある方などにも多いと言われています。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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