新型コロナウイルスの分類が「ステージ」から「レベル」に変わった理由

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東京都医師会副会長で「平成立石病院」理事長の猪口正孝氏が12月29日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナにおける「ステージ」から「レベル」への分類の移行について解説した。

新型コロナウイルス患者の専用病院となる東京城東病院の病室=2021年9月29日午後、東京都江東区 写真提供:共同通信社

「ステージ」から「レベル」へ

飯田浩司アナウンサー)国は2021年11月に新型コロナの感染状況や対策について、新しい「レベル分類」を発表しました。いままで「ステージ」にしていたものを「レベル」にするということです。ステージからレベルに変えたというのは、どのような背景があったのですか?

猪口)感染者数に焦点を当てて考えるとステージという話になりますが、感染者が増えることによって、入院しなければいけない患者さんが一定数、見えて来ます。

飯田)入院しなければならない患者数が。

武漢株のころから医療提供体制のレベルを「レベル1」~「レベル4」としていた

猪口)新型コロナ感染症は、最初に見つかった武漢株のころから、酸素が必要になるような中等症の方たちが10~20%出現し、重症化する人たちが5%ぐらい出ています。そのため、医療提供体制のレベルから、「レベル1」、「レベル2」、「レベル3」、「レベル4」と決めて来ました。

飯田)レベルの段階を。

猪口)「レベル4」というのは、医療がまったく届かない厳しい状態なので、「レベル4にしてはいけません、レベル3までに何とか抑えましょう」ということです。レベル3で抑え込むためには、レベル2のどの段階でレベル3に移行すべきなのか。現在、東京はレベル1ですが、一定の段階まで来たらレベル2に移行するための準備を始めましょう、ということを考えるのです。

飯田)レベルによって。

猪口)医療提供体制がレベル2や3に合わせた準備を始めるということと同時に、社会の皆さんも、「行動制限や時短制限などを同時に行わないと間に合いませんよ」ということです。感染者数というよりも、社会生活そのもの、医療提供体制や生活に合わせた部分の考え方になったのだと思われます。

新行市佳アナウンサー、猪口正孝氏、飯田浩司アナウンサー

東京都の新規感染者が500人になれば「レベル2」 ~「レベル3」は持っている病床をすべて開けて構える状況

飯田)先生が以前この番組に出演されたときも、「病床確保は簡単なことではなく、病院のなかにもう1個病院をつくるようなものだ」とおっしゃっていました。ポイントとして、いまはまだ「レベル1」ですが、どのくらいまで行くと「レベル2」の準備に移るのでしょうか?

猪口)新規陽性者数が500人くらいになって来たら「レベル2」になります。700人くらいになったら、我々医療機関は「レベル3」の準備を始めます。レベル3とはどのような状態なのかと言うと、「持っている病床をすべて開けて構える」ということです。レベル3で患者さんが収まってくれなかったら、非常に厳しい状況になります。

一般の病気の患者にも影響が出る「レベル3」

飯田)レベル3まで行くと、一般の別の病気で入院している方にも影響が出て来ますか?

猪口)勿論です。東京で言うと、6891床をコロナのために用意するということになります。そうすると、ほぼ2倍の1万3000床くらいが潰される。急性期病床は4万8000床ほどと言われているので、そのうちの1万5000床近くがコロナ用に使われてしまうことになり、通常医療の脳卒中や心筋梗塞、癌、その他のあらゆる病気が順番待ちになってしまったり、すぐ治療を受けられない状況になる可能性が出て来ます。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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