新型コロナ「飲み薬」は発症後5日以内に服用 ~50%の重症化予防が可能

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東京都医師会副会長で感染症担当、「角田外科消化器科医院」院長の角田徹氏が1月10日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。オミクロン株の今後について解説した。

新型コロナ「飲み薬」は発症後5日以内に服用 ~50%の重症化予防が可能

米製薬大手メルクが開発した新型コロナウイルス感染症用の飲み薬「モルヌピラビル」(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

第5波の状況を参考にして第6波に備える

飯田浩司アナウンサー)新型コロナウイルス感染者数が東京各地で増加傾向にあります。この状況をどうご覧になられますか?

角田)年末から新規感染者数が増えています。やはり諸外国と同じような次の感染の波が来つつあると認識しています。

飯田)オミクロン株の特徴は欧米と同じく、日本でも感染力が強いのでしょうか?

角田)これも諸外国のデータですけれども、オミクロン株が多くなり、感染しやすい状況になっているようです。日本でも拡がるのは確実と認識した方がいいかと思います。

飯田)第6波となりますが、どういう状況になりそうですか?

角田)8月の第5波は大変な状況でしたが、今回の場合、感染予防に関するワクチンの効果は落ちて来ます。どのくらいの高まりになるかはわかりませんが、第5波のときの状況を考えながら、対応しなくてはならないと思います。

オミクロン株の感染力はデルタ株の4倍 ~重症化率は3分の1

新行市佳アナウンサー)オミクロン株について基本的なこともお伺いしたいのですけれども、まず感染力についてはいかがでしょうか?

角田)いままでのデータから見ると、デルタ株の約4倍だろうと言われています。

新行)重症化の可能性はいかがでしょうか?

角田)デルタ株よりは低いデータが出ています。イングランドですと、5万6000人くらいが感染した場合、約130人の重症化率ですから、0.25%というところです。ただ感染者数が爆発して4倍になれば、重症化率はデルタ株の3分の1と言われていますから、3分の1とすると、重症者の絶対数は8月を上回るということになります。

新型コロナ「飲み薬」は発症後5日以内に服用 ~50%の重症化予防が可能

新行市佳アナウンサー、角田徹氏、飯田浩司アナウンサー

重症化予防に効果のあるワクチン接種

飯田)ワクチンを2回打った人に関しては、重症化予防の効果があると見てもいいですか?

角田)感染予防の効果はオミクロン株では33%に下がると言われていますけれども、重症化予防の効果は明らかにあると認識しています。

飯田)重症化予防ということを考えると、自分の身を守るためにも、ワクチンを2回打つことは大事ですね。

角田)可能な方は接種していただきたいと思います。

飲み薬は東京で2万人分の供給が可能 ~発症から5日以内の服用が原則

新行)飲み薬も認可されましたけれども、どのくらいの数の備えがあるのでしょうか。東京ではどうですか?

角田)12月末の段階で、政府は20万人分を用意しているということです。(日本全体の人口に対して)東京の人口が10分の1ですから、2万人分の供給が受けられると思います。

新行)診断を受けて、どの段階で飲み薬を飲むのですか?

角田)インフルエンザのタミフルなどと同じように、ウイルスの増殖を抑制しますから、なるべく早く飲んでいただく。発症から5日以内に飲んでいただくことが原則です。

新行)なるほど、5日以内。

飯田)飲み薬も、重症化をかなり予防できると考えていいですか?

角田)そうですね、重症化を5割くらい抑えると言われております。

飯田)総合して考えると8月のときよりも武器は増えて来ているというなかで、病床の方はどうですか? ひっ迫の恐れというのは。

角田)8月に比べれば病床数は増やしております。6000床以上ありますが、爆発的に感染者が増えると重症者の数は増えますから、一気にその方々が入院できるという体制は取れないかも知れません。6000床全部が100%使えるわけではありませんからね。

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