新型コロナワクチン3回目接種の注意点
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東京都医師会副会長で感染症担当、「角田外科消化器科医院」院長の角田徹氏が1月12日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナワクチンの3回目接種について解説した。
65歳以上のワクチン2回接種率は92%以上
飯田浩司アナウンサー)去年(2021年)のワクチン接種に関して、最初はいろいろと言われていましたが、特に高リスクとされる65歳以上の方々の2回接種率が92%以上になったと報道されています。事情があって打てない方もいるなかで、この数字はすごいですよね。
角田)打てない人たちを抜くと、高齢者に関しては、ほとんどの方が打っているという状況です。日本が昨年の暮れに感染を抑えられた大きな要因の1つだと思います。
3回目接種後は抗体が8~10倍に上昇する
新行市佳アナウンサー)オミクロン株に関して、ワクチンの効果はどうなのでしょうか?
角田)諸外国のデータをみると、ワクチン2回接種では、感染予防率は33%くらいに低下し、3分の1になってしまいます。ただ、重症化の予防効果は保たれていますので、重症化予防の意味でも、2回目が終わったあとに3回目を打っていただきたいと思います。
飯田)3回目接種についてですが、どのような効果があるのでしょうか?
角田)3回目の接種を「ブースター」と言いますが、これを打つことによっていままでの中和抗体、抗体というウイルスに打ち勝つ力が、2回目を打ち終わったあとの8~10倍以上になり、飛躍的に高くなります。感染予防の効果も高まるし、さらに重症化予防の効果も高まります。
2回目と3回目の副反応は同じくらい
飯田)副反応についてですが、3回目はどうでしょうか?
角田)2回目と3回目に関しましては、副反応の出現頻度は変わりません。1、2回目で比べると、2回目の方が強かったということを実感されていると思うのですけれども、2回目と3回目では、ほとんど同じ率でしか出ないと言われています。
飯田)翌日の仕事に関しては、少し手当をしておいてという感じになりますか?
角田)そちらの方がいいですね。
3回目はファイザーでもモデルナでも、打てるワクチンを打つ ~効果は同じ
飯田)ワクチンの種類ですけれども、1、2回目は同じものを打つということで、ファイザー/ファイザーで接種した方と、モデルナ/モデルナで打った方もいらっしゃいました。3回目はどうしたらいいでしょうか?
角田)3回目は打てるワクチンを打っていただきたいと思います。当初はファイザーがありますから、ファイザーを打っています。ですが、全体で見るとファイザーだけでは打ち切れないのです。これからモデルナが入って来ますから、3回目は選り好みせず、打てるワクチンを打ってください。効果は同じですし、副反応も同じくらいの率ですから、心配しないで打っていただきたいと思います。
モデルナの場合、3回目接種では2回目の半分の量を打つ
新行)3回目接種に関して、医療関係者、高齢者の方々の進行状況、そして一般の人たちへのワクチン接種は今後、どう進んで行くのでしょうか?
角田)基本的には、2回目が終わってから6ヵ月以上経った方に対して、住んでいる自治体から接種券が届きます。接種券が届けば打てる状況ですので、予約を取っていただいて、医療機関などで打っていただくということです。いまは医療関係者を中心に進んでいます。
飯田)今回の場合は、基本的に自治体がやっているところで打つという形になりますか?
角田)2回目と同じで、かかりつけ医で打つ方と集団で打つ方、両方設定している自治体が多いです。ファイザーの場合は1回目、2回目と同じ量を打ちます。ただ、モデルナの場合は1・2回目の半量なのです。だからモデルナの場合は1回目、2回目だと1瓶で10人分だったのですけれども、3回目は半量を打つので、1瓶が20人分になるのです。
飯田)そうなのですね。
角田)そうすると、ある程度数をまとめられるところでないと無駄になってしまいます。ですので、集団はモデルナ、かかりつけ医の場合はファイザーという形になって行くと思います。
順調に進んでいる前倒し接種
飯田)前倒し接種は順調に進んでいるのですか?
角田)私のところなどでもやっていますが、順調に進んでいると思います。
飯田)では、接種券が届いたら打つと。
角田)可能な方は接種券が来たら予約して打ってください。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます