さまざまなトレーナーが指導する「リワークプログラム」
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東京都医師会副会長で精神科「ひらかわクリニック」院長の平川博之氏が1月20日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。「リワークプログラム」の具体的な内容について解説した。
リワークプログラムが集団で行われる理由
飯田浩司アナウンサー)「リワークプログラム」の具体的な中身について伺います。まず、リワークプログラムは集団で行うということですけれども、どうして集団でやるのですか?
平川)集団で行うことにより、復職という共通の目標に向けて、メンバー内でお互いに支え合うことができます。1人で思い悩んでいると気負いすぎたり、焦りがちになることがあります。集団のなかで自分の話に共感してもらうことや、他の人の話を聞いて対処法のヒントを得られるなど、1人では得られない貴重な体験をすることができます。また、リワークを卒業して行くメンバーの後ろ姿からは、勇気と希望をもらうことができます。
飯田)卒業して行くメンバーから。
平川)メンバーと交流するなかで、さまざまな気付きも生まれます。ご自身の仕事に対する姿勢や価値観などについても、再考したり修正する機会が自然に生まれるのです。
プログラムの内容
飯田)どういうプログラムがあるのですか?
平川)基本的には生活リズムの再構築、体調の自己管理、体力の回復、さらには作業を通じての集中力や持続力。それから職場復帰に必要な基礎知識の習得。なかにはコミュニケーション技術の向上等を目指したプログラムもあります。プログラムは単なる集団療法ではなく、心理療法がうまく組み込まれています。
多岐にわたる内容
新行市佳アナウンサー)具体的にはどんなことをするのですか?
平川)いろいろな種類があるので一概には言えないのですけれども、例えばオフィス系のリワークでは、パソコンを使って個人あるいはチームで入力作業やプレゼン資料をつくり、実際に発表します。
飯田)発表をするのですか。
平川)あるいは心理的ストレスへの対処法を身に付けるために、自分の短所や長所傾向を理解して、対処法を身に付けるようなプログラム。また、運動系のリワークとしてはウォーキングや集団スポーツ、ヨガやストレッチもあります。あるいはゲームを取り入れながら、睡眠・食事・運動を改めて振り返る機会などをつくっています。
飯田)ゲームを取り入れることもあるのですね。
平川)コミュニケーション技術に特化したような、グループでのロールプレイやコミュニケーショントレーニングを行うことにより、職場へ復帰するまでに苦手な部分を克服することができます。
医師以外のさまざまなトレーナーから指導を受けられる
新行)けがをした場合のリハビリは、リハビリに特化した専門家の方がいらっしゃって、その方にいろいろと教えていただくイメージなのですけれども、リワークプログラムの場合、どなたが教えてくださるのですか?
平川)実施機関によっても違います。もちろん医師も介入しますけれど、臨床心理士や作業療法士、さらにはインストラクターやマナートレーナーなど、さまざまな方々が支えて行きます。
飯田)カウンセリング中心で治して行くように思いがちですけれども、リワークはそうではないのですね。
医療機関でのリワークは健康保険が適用される
飯田)保険はきくのですか?
平川)医療機関で行うリワークにおいては健康保険が使えます。それ以外のリワークについても、さまざまな支援が受けられますので、ご相談ください。
飯田)選択肢が増えているのですね。
平川)以前は限られていたのですけれども、最近は本当に増えました。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます