コロナ禍で「赤ちゃん返り」する子どもが増加

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東京都医師会・学校精神保健検討委員会委員長で「子どもと家族のメンタルクリニックやまねこ」院長の田中哲氏が2月21日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。コロナ禍における子どものメンタルについて解説した。

コロナ禍で「赤ちゃん返り」する子どもが増加

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

児童精神科とは

飯田浩司アナウンサー)児童精神科では、どのような症状の患者さんを診るのでしょうか?

田中)症状で言いますと、学校に行けなくなる、お家で暴れてしまう、学校に行こうと思うとお腹が痛くなってしまう。また、小さいお子さんの場合、おねしょが止まらない。もう少し大きくなると、ネット依存やゲーム依存、ひきこもりなどの辺りまでが守備範囲になります。

赤ちゃん返りする子ども

飯田)私も6歳の男の子を抱えていて、個人的にも聞きたいことがたくさんあるのですが、まず、コロナ禍が始まって3年目になります。コロナ禍で子どもたちのメンタルはどうなっていますか?

田中)初期のころは世間が大騒ぎしたので、「コロナが心配」と不安がる子どもがたくさんいたのですが、その不安は早くに治まり、みんな元気になったのです。しかし、その後3~4ヵ月くらいすると、以前はしなかったようなことをし始める子どもが出て来ました。

飯田)3~4ヵ月すると。

田中)もう見られなくなっていたお母さんへのベタ付き、トイレに1人で行けないなど、みんなが少しずつ赤ちゃん返りし始めたのです。いつもと違うことをやっているなと。最初はそれがコロナの影響だとはみんな思わなかったのですが、いまになって思うと、不安が慢性化した結果なのです。

飯田)そう言えば最近、子どもがやたらと「だっこして」とか、「ギューして」と言うのですが。

田中)おそらくコロナの影響だろうと思います。

コロナ禍で「赤ちゃん返り」する子どもが増加

新行市佳アナウンサー、田中哲氏、飯田浩司アナウンサー

子どもがストレスを感じたときの表現方法

飯田)それは無意識的にストレスを感じているということですか?

田中)そうですね。子どもは、ストレスを感じたときの1つの解消方法として、少し意識が赤ちゃん返りするのです。そして安心感を確かめる。お母さんのところがいちばん安心ということが子どもの初期体験なので、そこに戻って行こうとする気持ちの動きがあるのではないかと思います。

新行市佳アナウンサー)ストレス解消の方法として赤ちゃん返りという言葉が出ましたけれども、特徴的な子どものストレス解消法や表現方法はあるのですか?

田中)大人は「最近、ムシャクシャして」とか、「どうも気持ちがスッキリしなくて」などと言えるのですが、子どもはそれができないので、行動に出るか、体に出るかなのです。行動に出ると赤ちゃん返りなどの状態になるし、体に出ればお腹が痛いとか、おねしょをするというようなことになる。

マスクをしている影響でコミュニケーション手段が限られてしまう

飯田)いまは四六時中マスクをしている生活ではないですか。そのなかで空気を読む、表情を読むことが難しいと言われていますが、その辺りは影響がありますか?

田中)あると思います。子どもは生活しながら表情を読むなど、言葉以外で行われるコミュニケーションの練習をしているので、マスクを付けている影響でコミュニケーション手段が限られてしまう。情報量が少なくなってしまうので、全身を使ったコミュニケーションの練習がしにくくなってしまうのではないかと思います。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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