花粉症にはどの漢方薬が効くのか
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「セイメイ内科」院長の韋晴明氏が3月24日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。花粉症など春先の不調と漢方の相性について解説した。
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ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」
鼻水やくしゃみには小青竜湯が効く ~花粉症
新行市佳アナウンサー)春先で花粉が飛んでいますけれども、花粉症と漢方の相性はいかがですか?
韋)花粉症も漢方の得意とするところです。水っぽい鼻水やくしゃみが出て困るという人には、小青竜湯という漢方が第1選択薬です。半数くらいの人には有効です。鼻水やくしゃみが止まる他に、目のかゆみも抑えることができます。ただ、この漢方の欠点は、不味いのです。味がとても悪い。
新行)苦いのですか?
韋)酸っぱくて辛い。飲むと吐き気を催す人もいます。そういう人のために、錠剤として固めてつくっているメーカーもあります。
鼻が詰まる場合は葛根湯加川芎辛夷や辛夷清肺湯 ~のどに異物感があるときには半夏厚朴湯が効く
新行)のどや鼻に不調があるという方もいらっしゃると思うのですが、これについてはいかがですか?
韋)鼻が詰まるという場合には、葛根湯加川芎辛夷、あるいは辛夷清肺湯というものが効きます。どろどろの膿のような鼻水が出る場合には、辛夷清肺湯がいいようです。
新行)辛夷清肺湯。
韋)鼻づまりで口呼吸になってしまい、のどがヒリヒリして来たという場合には、甘草湯という漢方があり、これを口に含むとのどが楽になります。のどに異物感があって、飲み込もうとしても飲み込めず、吐き出そうとしても吐き出せないというときには、半夏厚朴湯という漢方が有効です。
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韋晴明氏、新行市佳アナウンサー
気象病には五苓散
新行)気圧が乱高下するようなときや、気温の寒暖差が激しいときに体調を崩してしまいがちなのですけれども、その場合におすすめの漢方などはありますか?
韋)そういう状況を漢方医学では、体のなかに水分がダボついているという意味の、「水滞」という言葉で説明しています。「水滞」という状況が原因で気象病が起こると考えていまして、水滞を改善する漢方に五苓散というものがあります。それを飲むと具合がよくなります。
新行)五苓散ですか。
韋)ずっと飲むのではなく、「明日は低気圧だから、そろそろ悪くなりそうだな」と思った場合、予防的に飲んでおく。そうすると当日になっても、あまり辛くならずに済みます。直前に飲んで、終わったらすぐやめてしまう。それで充分です。
新行)お医者さんに相談に行って処方してもらい、辛いときに使うと。
韋)そういう使い方で五苓散は効きます。水滞があるかどうか確認するのにいちばんいいのは、鏡の前に立って舌を出してみて、舌の両側に歯型がついているかどうかで判断できるのです。舌は本来、まっすぐ滑らかになっていますよね。その側面がギザギザした歯型の形になっている人がいるのです。
新行)あ! 私もなっています!
韋)そういう人には五苓散が効きます。