関西の出汁文化がにじむ「関西シウマイ弁当」、その味わいとは?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

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大型連休は大盛況だった東海道・山陽新幹線。ここ2年あまり、人の少ない静かな駅に慣れていましたが、やっぱり、駅が賑わうのは嬉しいものですね。旅の楽しみの1つにある食文化の違い。カップ麺が関東と関西で味が異なるのは有名ですが、2021年に登場した「関西シウマイ弁当」は、首都圏でおなじみのシウマイ弁当を関西の出汁文化でアレンジ。駅弁屋さん同士がコラボして生まれた新しい駅弁をいただいてみました。

N700A新幹線電車「のぞみ」、山陽新幹線・岡山~相生間

東京とその近郊から鉄道で旅に出る方にとって定番の駅弁といえば、やはり、横浜駅弁・崎陽軒の「シウマイ弁当」という方が多いようです。とくに鉄道好きではないという方でも、新幹線出張の折には、嬉しそうにシウマイ弁当をSNSにアップしている光景が、しばしば見られます。さすが1日2万数千個、“日本一売れる駅弁”とも云われるだけありますね。首都圏ではおなじみのシウマイ弁当に、昨年(2021年)、1つの大きな動きがありました。

関西シウマイ弁当

姫路駅弁・まねき食品が、横浜駅弁・崎陽軒とコラボレーションして2021年11月26日、発売したのが、その名も「関西シウマイ弁当」(960円)。コロナ禍で人の移動が自粛され、駅から人が消えるなか、美味しいもので人を元気にできないかと、まねき食品が崎陽軒にコラボを申し入れ、約1年半をかけて発売にこぎつけたと言います。赤い掛け紙には、関西らしく「虎」が描かれ、水晶玉には関西と中国地方の有名観光地が並んでいます。

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【おしながき】
・俵飯 小梅 白ごま
・関西シウマイ5個
・鯖の幽庵焼き
・かまぼこ
・出汁巻玉子
・あご出汁唐揚げ
・拍子切り筍煮
・レンコン甘酢漬け
・柴漬け
・黒花豆煮

関西シウマイ弁当

「関西シウマイ弁当」は、見た目こそ“本家”に似ている点もありますが、随所に関西の“出汁文化”がにじんだ構成です。メインの関西シウマイは、昆布だしと鰹節で旨みを引き出した豚肉に刻みレンコンを混ぜこんでいる他、筍煮はまねき食品らしく「えきそば」の出汁で煮付けられ、玉子焼は出汁巻玉子となっています。鶏の唐揚げも播磨・龍野産のヒガシマルの淡口醤油とあご出汁を使用。俵飯にも関西らしく、白ごまがかかっています。“幕の内”を基本とするシウマイ弁当だけに、“元祖”幕の内駅弁以来、幕の内系駅弁を得意とする、まねき食品との相性のよさも感じました。

N700系新幹線電車「みずほ」、山陽新幹線・西明石~姫路間

駅弁の要素として、最も求められる「ご当地性」。しかし、駅弁屋さんが少なくなり、大きな業者が広い地域をカバーするケースも見受けられるようになりました。そのなかで今回、関東の名物駅弁を、関西風にアレンジして1つの形に仕上げたのは、面白いと感じます。しかも「出汁文化」にフォーカスし、遠く離れた駅弁業者同士がコラボしたのも興味深い点。関東の方は“関西”、関西の方は“本家”と、自分自身でぜひ食べ比べたいものです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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