富士山が噴火した場合、東京都民はどう対応すればいいのか
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東京都医師会理事で河北総合病院・理事長補佐、心臓血管外科医の新井悟氏が5月27日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。火山が噴火した際の災害医療について解説した。
火山が噴火した際の災害医療
飯田浩司アナウンサー)火山が噴火した際の災害医療について伺います。東京に住んでいるとなかなか実感がない火山噴火ですが、東京で備える場合、どのようなことが想定されますか?
新井)関東での火山の噴火ということになると、いちばん影響が大きいのは富士山の噴火です。あとは浅間山などの噴火による「降灰災害」が想定されます。
飯田)降灰というと火山灰ですか?
新井)火山灰が降り積もるということです。
飯田)火山灰は問題になるのですか?
新井)先日、鹿児島県医師会と日本医師会が火山噴火の災害訓練を行い、全国の都道府県医師会の災害担当理事が参加しました。
飯田)降灰が問題になるのですね?
新井)鹿児島県の理事の先生にいろいろと講義をしていただいたのですが、火山灰による災害がこれほど酷いのかと、初めて勉強したところです。
火山灰が道路に1ミリ積もっただけで、車輪が空転して車は動かない
飯田)鹿児島だと桜島がありますね。火山灰は雪のように降ってくるイメージがあるのですが、実際はどのくらいで影響が出てきますか?
新井)桜島の噴火だと、酷いときは火山灰が数メートル単位で積もるようです。それが僅か1ミリ程度が道路に積もっただけでも、普通の自動車は走行ができなくなるということを勉強しました。これは避難するときに大きな影響が出ます。
飯田)1ミリで車が動かなくなるのですか?
新井)動かなくなります。車の車輪が空転してしまうのです。
飯田)滑ってしまうのですか。車での避難はほぼ不可能ということですか?
新井)火山灰が降ってしまってから自動車で避難することは、かなり困難だと思います。
火山が噴火する前の避難が必要
飯田)そうすると、事前に避難しておくということが大事になるのですね。
新井)そうですね。火山が大噴火するときは、あらかじめ火山性の地震が頻発することがわかっています。水害と同じようにタイムラインがあるのです。ですので、前もって非難しておくことが大事になります。
家族で非常時の連絡先や連絡手段を確認しておく
飯田)最後に、リスナーの皆さんへメッセージをお願いします。
新井)災害はいつ起こるかわかりませんので、あらかじめ準備や訓練をしておくことが大事です。非常時の連絡先や連絡手段の確認をお願いしたいと思います。「災害は自助と共助と公助」と言われます。まずはご自分で準備をして、避難経路の確認をお願いいたします。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます