小児急性肝炎とアデノウイルスの関係性

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東京都医師会副会長で感染症担当、「角田外科消化器科医院」院長の角田徹氏が6月1日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。小児急性肝炎とアデノウイルスの関係性について解説した。

※画像はイメージです

小児急性肝炎患者の75%からアデノウイルスが検出

飯田浩司アナウンサー)小児急性肝炎の原因である可能性が高いとされる「アデノウイルス」について伺います。肝炎とアデノウイルスは、現時点でどのような関係性が指摘されていますか?

角田)小児急性肝炎の患者さんのうち、アデノウイルスが検出された患者さんが多いという報告がイギリスなどで出ています。75%ぐらい検出されているということで、関連性が疑われています。

「ウイルス干渉」によってアデノウイルスの抗体を持てないため、感染しやすい

飯田)ここに来てアデノウイルスが流行している原因は何でしょうか?

角田)現在もそうですが、新型コロナウイルスがここ2~3年流行しています。「ウイルス干渉」と言って、1つのウイルスが広がると、他のウイルスが流行しにくくなるのです。通常であれば冬や夏に流行していたアデノウイルスが、あまり広がらなくなった。そうすると、アデノウイルスに対する抗体を持っていないので感染しやすくなってしまう。それでアデノウイルスの感染が増えているという報告が、全世界的にあるようです。

飯田)肝炎になる、ならないに関わらず増えているのですね?

角田)そうですね。アデノウイルスは流行性角結膜炎や風邪の症状を示す上気道炎など、とてもウイルスの種類が多いのです。一般的な風邪も含めて、さまざまな症状の原因となるウイルスです。

小児の間での感染が多いアデノウイルス

飯田)子どもを保育園に通わせていたころは、「アデノ」という名前をよく聞いたなと思います。そのぐらい一般的なものであるということですか?

角田)そうですね。いまでも一般的なものですし、保育園でもらってきてしまうことはよくあります。流行性角結膜炎などは感染しやすいので、症状があるうちは出校してはいけないのです。

飯田)出席停止のような形ですね。夏にプールの授業があるタイミングでこの病気が流行り出して、タオルを共有したために感染してしまったということもありました。

角田)それは「プール熱」と言われるものです。プールに入ったあとに熱が出て、風邪症状になってしまう。それもアデノウイルスが原因です。

角田徹氏、飯田浩司アナウンサー

どの感染症にも有効な新型コロナの感染対策 ~マスク着用と手洗い

飯田)感染経路としては、同じものを触ることでうつる場合が多いのですか?

角田)タオル共有で考えられるのは接触感染です。タオルに付いたウイルスが手に付着して、それを目や口に持っていってしまう。あとは、新型コロナと同じように、飛沫感染によってうつることもあります。

飯田)集団生活のなかで感染してしまうのですね。

角田)手洗いを怠ると感染してしまう可能性があります。

飯田)コロナ禍で我々もいろいろと学習しましたが、基本的な感染対策がここでも有効になりますか?

角田)手洗いや特定の環境でマスクをするということは、どの感染症にも有効です。

ウイルス感染に特効薬はない

飯田)アデノウイルス感染症の治療法としては、「免疫力を高める」ということになりますか?

角田)基本的には、ウイルス感染に特効薬はあまりありません。身体のなかで抗体をつくり、ウイルスを駆逐するということになるので、期間はある程度必要です。その間は無理をせず、人に感染させないことがポイントです。

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