アデノウイルス感染症とその予防対策
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東京都医師会副会長で感染症担当、「角田外科消化器科医院」院長の角田徹氏が6月2日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。アデノウイルス感染症とその予防対策について解説した。
呼吸器症状が表れることが多いアデノウイルス感染症
飯田浩司アナウンサー)小児急性肝炎の原因である可能性が高いとされる「アデノウイルス」についてですが、感染すると、どのような症状になるのでしょうか?
角田)多くは呼吸器症状です。感染経路が目や口などのため、呼吸器に入ってくることが多く、風邪症状で喉が痛む、熱が出る、少し咳が出るというのが主な症状です。
飯田)風邪の症状。
角田)あとは「プール熱」と言って、プールから出たあとに目が真っ赤になって熱が出ることがありますし、胃腸への症状もあります。ウイルスを飲み込んでしまうと胃腸で増殖しますから、それを排除しようとして熱が出たり、下痢になったり、嘔吐することもあります。膀胱炎のような報告もあるとのことです。
飯田)膀胱炎というと、血尿が出る。
角田)血尿が出ることもあります。膀胱炎は頻尿や残尿でも痛みが出るので辛いですね。
感染力が強く大人も感染する
飯田)小児の感染症というイメージがあるアデノウイルスですが、大人も感染するものですか?
角田)小児の間で主に流行するのですが、大人も感染します。
飯田)感染力は強いのですか?
角田)感染力は割と強いです。タオルなどを共有すると、そのタオルを介して他の人にうつってしまうのです。流行性角結膜炎になる場合もあります。目が真っ赤になったり、熱が出たりします。流行性角結膜炎は感染力が強いのです。学校で流行すると大変なので、症状がなくなるまでは登校禁止という扱いになります。
使用後のタオルは煮沸してから洗う
飯田)結膜炎はどこから感染するのですか?
角田)目をこすった手でどこかに触れて、そこから別の人の手にうつり、その人が目に触れて感染します。また、飛沫のなかにもウイルスが含まれますので、マスクをせずに近距離で会話しても感染することがあります。
飯田)使用後のタオルは、洗濯機で洗うことでウイルスを死滅させることはできますか?
角田)ウイルス全体が熱に弱いのです。特にアデノウイルスは熱に弱いため、短時間でいいので煮沸してから洗うと、さらに予防効果があると思います。
流水だけの手洗いでも感染を防ぐことはできる
飯田)あとは手をこまめに洗うということですか?
角田)手指からの接触感染が多いので、手洗いは基本です。
飯田)でも、子どもに励行させるのが難しいですね。
角田)水道水だけで洗えばいいのです。15秒間洗うとウイルス量は約100分の1になります。石けんを使えば約1万分の1になります。とにかく水で手を洗うことが最も有効な方法です。
飯田)外で遊んでいるときなど、石けんがない場合、水で洗うだけでもいいのですか?
角田)充分です。流水でしっかり洗えば汚れも落ちますし、ウイルスもいなくなるので、有効です。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます