梅雨時の体調不良を防ぐ「耳マッサージ」
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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が6月10日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。天候不良時の体調不良について解説した。
気圧の変化が自律神経のバランスに悪影響を与える
飯田浩司アナウンサー)今回は、梅雨の季節の体調不良からのリセット方法について伺います。
森田)梅雨の季節のように天候不良になると、頭が痛くなったり、めまいが起きるという方は多いと思います。いわゆる、気象病です。気象には、気圧・気温・湿度という3つの要素があります。この3つのうち、どれが最も身体に影響をおよぼすと思いますか?
飯田)私は汗っかきなので、湿度は、ジメジメしていて気持ち悪いなと思いますが。
新行市佳アナウンサー)私は気圧ですかね。
森田)3つとも影響をおよぼすのですが、特に影響をおよぼすのが気圧と考えられています。耳の奥には内耳がありますが、ここには気圧のセンサーがあります。気圧の変化を察知して、脳に信号を送るのです。気圧の変化が大きいと、センサーと目から入ってくる情報が混乱してしまうのです。
飯田)見ているものと。
森田)それによって、自律神経のバランスが崩れ、頭痛やめまい、肩こり、関節痛などが生じやすくなります。
気圧が変化するときに体のどこかが痛くなる「天気痛」
森田)気象病のなかには、痛みに特化するような症状が出る「天気痛」もあります。女性の8割、男性の5割が天気痛を経験しています。雨が降り、気圧が変化するときに歯が痛くなる、頭が痛くなる、関節が痛くなる。また古傷が痛むようなときには、天気痛が考えられます。
飯田)天気痛。
森田)気象病になりやすいかどうか、チェックリストをつくってみました。1~5番までありますが、いくつ当てはまるでしょうか?
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1. 天気に敏感で、雨が降ることが何となくわかる。
2. 天気によって、気分が沈みやすい。
3. 乗りもの酔いしやすい。
4. 季節の変わり目に体調を崩しやすい。
5. 過去に大きなケガをしたことがある。
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森田)2つ以上当てはまる場合、要注意となります。
気象病を予防する「耳マッサージ」
森田)気象病を予防する方法としては、適度な運動やストレスを溜めないということも大切なのですが、最近注目されているのが「耳マッサージ」です。
飯田)耳マッサージ?
森田)気圧の変化を感知する、耳の奥の内耳への血流をよくするというのが耳マッサージなのです。両耳を指で摘まみ、上に5秒、下に5秒、後ろに5秒。「グーッ」と引っ張るのです。
飯田)けっこう痛いですね。
森田)今度は、耳を横に引っ張りながら、グルグルと5回まわします。逆方向にもグルグルと。あとは手のひらで耳全体を覆って、優しく5秒間圧迫します。そうすると、内耳への血流がよくなるのではないかとされています。
新行)なるほど。
森田)どんな気持ちですか?
新行)耳がポカポカしてきましたね。
飯田)確かに、耳がポカポカしてきた感じがします。
森田)そうですね。これだけで治るというわけではなく、普段から睡眠不足にならないようにする、適度に運動する。また、栄養素を摂ることが大事なのですが、「一助となれば」ということで、ご紹介させていただきました。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます