コロナ禍で慣れてしまったストレスを断つための「リセットの習慣」
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東京都医師会理事で順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏が9月12日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。リセットを習慣づけることの重要性について語った。
コロナ禍で変わってしまった環境と習慣 ~以前の生活に戻ることは難しい
飯田浩司アナウンサー)先生は医療について数多くの本を出版されていますが、ベストセラーになっている『リセットの習慣』から伺います。「リセットの習慣」というタイトルには、どんな意味があるのでしょうか?
小林)コロナ禍になって3年を迎え、徐々に日常の生活を取り戻しているように思えますが、以前のような生活に戻ることは難しいと思います。そこで、いまある悪い流れをいい流れにしたいところですが、人は流れに乗るのは簡単に乗れるのですけれど、流れを変えることは難しい。流れるプールでも、水が流れる方向には容易に乗れますが、逆に行くことは難しいですよね。
飯田)そうですね。
小林)それと一緒です。自律神経は体のライフラインですが、ストレスでバランスが崩れてしまうと血流が悪くなり、十分な血液が1つひとつの細胞に届かなくなります。そうすると、身体の調子も悪くなるし、仕事のパフォーマンスも悪くなります。
「どうすれば元の自分に戻れるか」ではなく、「新しい自分になるために何をするか」
小林)そこで重要なのは、「どうすれば元の自分に戻れるか」ではなく、「新しい自分になるために何をするか」ということだと思います。
飯田)いままで慣れ親しんだものが体に染みついているようなところもあって、そちらに戻ろう、戻ろうと考えてしまいますが、その意識を変えないといけないということですか?
小林)環境が変わってしまっていますから、何が自分にとっていいのかという、新しい自分を見いだすことが重要だと思います。
リセットを習慣づけるためには、「新しい習慣を取り入れる」「動く」ことが重要
飯田)リセットを習慣づけるために、どのような意識を持てばいいのか、どう動けばいいのかということを伺います。まず、リセットのポイントはどこにありますか?
小林)意識するべきことが2つあります。新しい習慣を取り入れる。そして、とにかく動くことが大事です。テレワークなどで動かない状態に慣れてしまっています。動かないことによる弊害は多いのです。ですから、動くということを意識するのが大切だと思いますよ。
飯田)普段の生活でも仕事でも、コロナ禍は何もやらないことの理由になりますよね。
小林)コロナ禍でストレスを受けることが当たり前になっていて、それが染みついてしまっているのが現状です。
飯田)「どこかに出かけようか」、「コロナだからやめよう」。「飲みに行こうか」、「コロナだからやめよう」というようなことばかりです。
毎朝、新しいことを1つプラスする ~散歩をする、ストレッチをする、コーヒーを淹れるなど
新行市佳アナウンサー)具体的には、どのようなところから始めたらいいですか?
小林)新しい朝の習慣から始めましょう。「毎日、これを1つプラスする」ということは重要だと思います。朝30分早く起きて歩いてみる、ベランダで5分間ストレッチをしてみる。または自分でトーストを焼いてコーヒーを淹れるなど。
飯田)朝、コーヒーを淹れる。
小林)大切なのは、何かをきっかけにして、いままでと違う流れをつくることです。そうすることによって、人は印象付けられますので、何か変わった世界が見えてくると思います。
飯田)動くことでスイッチが変わる。
小林)違う自分が見えてくると思います。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます