東京都医師会理事で「三軒茶屋病院」院長の腎臓専門医、大坪由里子氏が10月27日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。医療現場における女性活躍支援について解説した。
子育てしながら医療現場で働くということ
新行市佳アナウンサー)今回は医療現場における女性活躍支援をテーマにお話を伺います。先生もお子さんを育てながら、お医者さんとして働き続けていらっしゃいます。
大坪)私は周りの協力を得られましたので、3人子どもを産みながら仕事を続けることができました。
新行)どのように両立されてきましたか?
大坪)産後8週間の産休がありますよね。最初は仕事に復帰するときにすごく緊張してしまって、「数週間の間に何もできなくなってしまったのではないか」という不安な気持ちがありました。働き始めてしまえば一生懸命やるしかないのですが。
新行)不安ですよね。
大坪)仕事中は仕事のことで頭がいっぱいのため集中できるのですが、急に子どもの具合が悪くなったりすると、周りの方に迷惑なのではないかと気を病んだりすることがありました。
「医者として、自分はこれからどうなってしまうのだろう」という不安
新行)子育てしながら仕事をするときに、出産前後など、いろいろな段階があると思うのですが、そのなかでも大変だと思った時期はいつですか?
大坪)子どもは可愛いですし、幸せなのですが、医者として「自分はこの先どうなってしまうのかな」と不安を感じ、悩んだ時期がありました。徐々に吹っ切れてはいくのですが。
子育て中の女医さんばかりのクリニックでの貴重な体験 ~お互いカバーし合いながら働く
新行)そういう時期は、誰かに相談したり、もしくは頼りになるものはあるのでしょうか?
大坪)復帰したときに務めていたのは大学の医局から派遣されたクリニックなのですが、そこは子育て中の女医さんばかりが集まっているクリニックだったのです。同じような境遇の先輩方がいらしたので、先輩方からいろいろお話を伺い、励まし合って、すごく勇気づけられました。
子どもが熱を出した場合、各々でカバーし合う
大坪)そのクリニックにいたときに、子どもが熱を出して休む状況は必ず出てくるのですが、お互いに境遇をわかっているのでカバーし合うことができたのです。
新行)境遇が同じなので。
大坪)本当に快く、他の先生がお休みのときは自分が頑張るし、私も子どもが熱を出したときなどにはお世話になりました。そのクリニックで「助け合えば子育てしながらでも働ける」ということを実感しました。その体験がその後の「子育て支援」に活きていると思います。
新行)そういう経験があると自信にもなりますよね。
大坪)「こうすれば子育て中の女医さんたちも苦しまずに働けるのではないか」と思いました。
育休が終わったら戻ってきて欲しい
新行)大坪先生の三軒茶屋病院でも、女性が働きやすい環境を整えていらっしゃるのですか?
大坪)病院は看護師さんが職種としては最も多いです。女性が中心ですので、子育てをして、育休を取って、というのはよくあることです。そこをうまく支援し、「育休が終わったらまた戻ってきて欲しい」という気持ちでサポートしています。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます