「骨粗鬆症かな」と思ったら、何科に行けばいいのか
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東京都医師会理事で「葛西中央病院」院長の整形外科医・土谷明男氏が11月3日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。骨粗鬆症の治療法について解説した。
注射による骨粗鬆症治療
飯田浩司アナウンサー)骨粗鬆症の治療法として、注射という方法もあるのですか?
土谷)最近は飲み薬だけではなく、注射に関してもいろいろなお薬があります。
飯田)効果は高いのでしょうか?
土谷)効果は高いです。注射の頻度も、毎日打つものから月1回、半年あるいは1年に1回というお薬が出ています。
飯田)骨に打つわけではないですよね?
土谷)骨に直接打つわけではなく、皮膚の下の脂肪に皮下注射を行うことがほとんどです。
飯田)一般的なイメージの注射なのですね。
土谷)そうです。
毎日注射する場合は自分で打つ ~糖尿病のインスリン注射と同じ
飯田)どういうお薬がなかに入っているのですか?
土谷)骨の代謝をコントロールするお薬です。
飯田)頻度に関しても、毎日打つものからいろいろあるとおっしゃいましたけれども、毎日打つ場合は、毎日お医者さんに通わなければいけないのですか?
土谷)それはとてもできませんので、自分で注射することになります。糖尿病でインスリン注射を打つ方がいらっしゃると思うのですけれども、それと同じようなものです。
飯田)なるほど。
土谷)インスリン注射と針は一緒です。細くてそれほど痛くありません。それを自分で毎日打つ。保険診療上は2年間継続することができますので、毎日注射している方もいらっしゃいます。
治療は飲み薬から ~症状が進んでしまい、骨折リスクの高い人が注射の対象に
飯田)骨粗鬆症が進んでしまった人は、飲み薬から注射に移行することが多いのですか?
土谷)そうですね。骨折リスクの高い人が注射の対象になります。少し骨が弱い方や、骨密度が低いからいきなり注射するということはありません。
飯田)まずは飲み薬などで様子をみるということですか?
土谷)まず飲み薬です。そのあと骨折してしまったり、あるいは極めて骨密度が低い方の場合は、注射を検討するという順番になります。
骨粗鬆症は治せるものではない ~骨折しないように薬を飲む
飯田)骨粗鬆症は治るものなのですか? それとも現状を維持していく形になりますか?
土谷)生理的な現象なので治るわけではありません。お薬を使っても元に戻るわけではありません。
飯田)そうなのですね。
土谷)年齢が上がると血糖が上がったり、血圧が上がることで起こる糖尿病や高血圧と一緒で、低くなった骨密度を治すわけではなく、最終的には骨折しないようにお薬を飲んでもらう、あるいは注射するということです。動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳梗塞が起こるのを予防するために、血圧を下げる薬を飲むのと同じことです。
骨密度の検査は内科、整形外科で
飯田)骨粗鬆症の検診の対象や内容について教えてください。また、どういうところで受けられるのでしょうか?
土谷)まず高齢の女性は1回調べて欲しいと思います。70歳以上になって腰が痛い、膝が痛いという場合は整形外科を受診していただければ、(診察と一緒に)調べることもできると思います。最近は内科の先生も、高齢の方を診ることも多いでしょうから、一緒に骨密度を調べている先生もいらっしゃると思います。内科、整形外科へ行って調べてみるといいと思います。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます