子どもたちが新潟の海を学んで考えた新作駅弁「新潟海の恵み イロドリ弁当」とは?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

新潟海の恵み イロドリ弁当

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「次世代への継承」は、少子高齢化社会の大きな課題です。日本海で獲れる豊かな海の幸も、その食材と使った駅弁文化も、若い世代が魅力ある仕事と捉えてくれないことには、次の世代に繋がっていきません。そんな次世代を担う子供たちが新潟の海について学び、考案した新作駅弁が、先日から新潟駅で販売されています。日本海らしく、のどぐろや南蛮海老も入った新作を、さっそくいただいてみました。

E653系電車・特急「いなほ」、羽越本線・今川~桑川間

E653系電車・特急「いなほ」、羽越本線・今川~桑川間

3月18日のダイヤ改正で東京~新潟間が最速1時間29分となった上越新幹線。この新幹線に接続して新潟駅を発着する特急列車は、車窓に広がる日本海が楽しめるのが特徴です。なかでも、白新線・羽越本線経由で新潟と酒田・秋田を結ぶ特急「いなほ」は、笹川流れをはじめとした、日本海の絶景区間が続きます。新潟駅で海鮮系の駅弁を買い込んで旅のお供とすれば、美しい海を眺めて、より美味しく駅弁をいただけることでしょう。

新潟海の恵み イロドリ弁当

新潟海の恵み イロドリ弁当

そんな新潟の海にちなんだ新作駅弁が新潟駅にお目見えしています。その名も、「新潟海の恵み イロドリ弁当」(1300円)。この駅弁は、新潟三新軒と日本財団の「海と日本プロジェクトin新潟」がコラボレーションする形で、3月10日に発売されました。海を学ぶイベント「海砂研究所」に参加した子供たちが中心となって、美味しい新潟の海の幸を子どもから大人まで美味しく食べてもらうために考えた駅弁だといいます。

新潟海の恵み イロドリ弁当

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【おしながき】
・酢飯(新潟県産コシヒカリ使用)
・のどぐろ若狭焼き
・南蛮海老そぼろ
・ベニズワイガニほぐし身
・菜の花のおひたし
・玉子そぼろ
・とろろ昆布

新潟海の恵み イロドリ弁当

新潟海の恵み イロドリ弁当

イベントに参加した子どもたちは、海と川によって作られた砂のまち・新潟の各地を巡って、この砂が育む海の恵みである、ノドグロや南蛮海老について学ぶことで、これからの海をどう守り、共生できるのか考えたといいます。その学びの結果として、食べることで理解を深めるべく、フードスタイリストのこじまひでき氏、新潟三新軒の協力のもと、「駅弁」として仕上げられました。酢飯の上に脂がのったノドグロが載って、食べ応えも十分です。

E653系電車・特急「しらゆき」、信越本線・青海川~鯨波間

E653系電車・特急「しらゆき」、信越本線・青海川~鯨波間

新潟駅から信越本線・えちごトキめき鉄道経由で上越妙高・新井へ向かう特急「しらゆき」は、信越本線の直江津~柏崎間で日本海に沿って走行します。こちらは夏場、海水浴でにぎわう砂浜の海岸も続いており、「砂」を切り口とした子供たちの学びが詰まった駅弁をいただくには、より良い車窓かもしれません。日本海の豊かな恵み、鉄道路線、駅弁文化、いずれも次世代につないでいきたいという、大きな願いが込められた駅弁です。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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