限定駅弁! 和田岬線103系勇退記念弁当を完食してみたら?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

和田岬線103系勇退記念弁当

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昭和のころ、東京で“国電”山手線に揺られると、スカイブルーの電車が寄り添ってきて、抜きつ抜かれつ並走する光景は、子供心にワクワクしたものです。そんなスカイブルーの電車が、令和のいまも、神戸で1編成、1区間だけ現役で活躍していましたが、ついに、この春、引退のときを迎えることとなりました。これに合わせて、何と“勇退記念”駅弁も発売されましたので、さっそくいただいてみました。

103系電車・普通列車、山陽本線(和田岬支線)・和田岬~兵庫間

103系電車・普通列車、山陽本線(和田岬支線)・和田岬~兵庫間

昭和30年代から活躍し続けてきた103系電車。国鉄時代は、全国で当たり前のように見られた車両ですが、車両の世代交代が進んで、いまでは西日本と九州の一部に残るだけとなりました。スカイブルーの通勤電車といえば、首都圏では京浜東北線(東海道・東北本線の各駅停車)、関西では京阪神緩行線(東海道・山陽本線の各駅停車)等で、長らく活躍してきた車両ですね。

山陽本線(和田岬支線)・和田岬駅

山陽本線(和田岬支線)・和田岬駅

山陽本線・和田岬支線(和田岬線)は、神戸市内の兵庫~和田岬間2.7kmの支線で、明治以来の歴史を誇ります。長年、営業列車は朝夕の通勤時間帯のみ運行されており、現在、休日はわずか2往復となっています。この度、平成13(2001)年に電化されてから約22年間、活躍してきたスカイブルーの103系電車が、3月18日(土)をもって運行を終えることが発表され、話題となっています。

和田岬線103系勇退記念弁当

和田岬線103系勇退記念弁当

この103系電車の勇退を記念した駅弁が、神戸を拠点に駅弁を製造する「淡路屋」から、3月9日からの3000個限定(予定)で登場しています。その名も、「和田岬線103系勇退記念弁当」(1030円)。103系電車の先頭車両をモチーフとした容器となっていて、新神戸・神戸・西明石・鶴橋の各駅構内売店の他、20日まで設けられている三ノ宮駅の特設売店でも販売が行われています(百貨店・オンラインショップ等の販売は無し)。

和田岬線103系勇退記念弁当

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【おしながき】
・梅おにぎり
・黒ゴマおにぎり
・神戸牛すきやき煮
・いかなごくぎ煮
・だし巻き玉子、
・鮭塩焼き
・焼き板かまぼこ
・味付け海苔

和田岬線103系勇退記念弁当

和田岬線103系勇退記念弁当

「和田岬線103系勇退記念弁当」は、淡路屋の“朝専用”駅弁、「日本の朝食弁当」の特別豪華版という位置づけで開発されました。淡路屋によると、和田岬線が朝夕のみの運行であるところに着目。神戸らしく、いかなごのくぎ煮や神戸牛のすきやき煮を盛り付けたと言います。実際にいただいてみると、ご当地感あるちょっぴり豪華な中身はもちろん、完食した人だけが楽しめるサプライズな展開もあって、スペシャル感も溢れています。

103系電車・普通列車、山陽本線(和田岬支線)・兵庫~和田岬間

103系電車・普通列車、山陽本線(和田岬支線)・兵庫~和田岬間

昭和から平成にかけて、日本の通勤ラッシュを支えた103系電車。和田岬線の車両は、いま残る車両では、最も原形に近い形を留めているとも云われます。特急車両ではなく、通勤形車両の引退に当たり、記念駅弁が作られたのも特筆すべきこと。18日までの間、運行しない日もありますが、沿線の方の通勤をしっかりと支えて欲しいものです。そして、ファンの方も駅弁やグッズ等とともに、その最後の姿を静かに見守りたいものです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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