駅弁の日30周年! 沼津の「おにぎり駅弁」で楽しめる、3つの静岡の味とは?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

静岡おにぎり弁当

画像を見る(全6枚) 静岡おにぎり弁当

昭和の中ごろまで、駅弁屋さんが繁盛した駅の1つに、「機関車の連結が必要な駅」という特徴がありました。電化区間と非電化区間の境界駅で、電気機関車と蒸気機関車の付け替えが必要だったり、急勾配を前に補助機関車を連結するため列車の停車時間は自然と長くなりました。いまも、東京方面からの直通列車が運行されている東海道本線・沼津駅もその1つです。そんな沼津の期間限定「おにぎり駅弁」をいただきました。

N700S新幹線電車「のぞみ」、東海道新幹線・三島~新富士間

N700S新幹線電車「のぞみ」、東海道新幹線・三島~新富士間

駅弁の日30周年! 「おにぎり駅弁」特集(第2回/全6回)

その昔、東海道を汽車で旅した人たちは、“沼津までぬまずくわずで……”と言ったとか。東京から下ってくると、ちょうど腹が空いてくるのが沼津辺りだったとも言えます。いまも、新幹線で東京を出てから「のぞみ」で45分、新横浜からなら25分ほど我慢すれば、三島~新富士間で、絶景の富士山を眺めながら駅弁を楽しむことができます。その意味では、いまも、“沼津までぬまずくわずで”という、“駅弁の法則”は生きているのかも知れません。

静岡おにぎり弁当

静岡おにぎり弁当

そんな静岡県沼津市を拠点に沼津駅、三島駅の駅弁を手掛ける桃中軒が、駅弁の日制定30周年を記念した日本鉄道構内営業中央会の「おにぎり駅弁企画」の1つとして、4月1日~23日の限定で販売しているのが、「静岡おにぎり弁当」(800円)です。売店で購入すると、沼津を代表する景勝地で、古くから文人に愛されてきた千本松原からの富士山の写真が載った「駅弁カード」をいただくことができました。

静岡おにぎり弁当

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【おしながき】
・あしたか牛そぼろおにぎり
・桜えびめしおにぎり
・鯛めしおにぎり
・鶏の唐揚げ
・玉子焼き
・煮物(がんも、人参、こんにゃく、絹さや)
・香の物

静岡おにぎり弁当

静岡おにぎり弁当

“静岡”おにぎり弁当と銘打っただけあって、静岡の美味しいものを使ったおにぎりが3つの味で楽しめます。沼津のご当地ブランド・あしたか牛のそぼろおにぎりに、桜えびめしのおにぎり(注)、桃中軒自慢の鯛めしおにぎりに加えて、鶏の唐揚げ、玉子焼き、煮物、香の物としっかりおかずも付いていて、800円にまとめているのが嬉しいものです。三島~東京間は新幹線「ひかり」で40分あまり。小腹を満たすにもちょうどいい駅弁です。

(注)桜えびは台湾産

小田急60000形電車・特急「ふじさん」、御殿場線・御殿場~足柄間

小田急60000形電車・特急「ふじさん」、御殿場線・御殿場~足柄間

昭和9(1934)年の丹那トンネル開業まで、日本の東西を結ぶ列車が多く行き交ったのがいまの御殿場線です。鉄道唱歌15番にも、御殿場からの富士の風景が唄われています。沼津のおにぎり駅弁で、鉄道草創期に思いを馳せるのなら、かつての東海道本線だった御殿場線を旅したいもの。昭和30年代、新幹線への道を切り拓いた小田急ロマンスカーの系譜を継ぐ特急「ふじさん」に揺られてみるのも、意義ある鉄道の旅になりそうです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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