食べくらべが楽しい! 駅弁の日30周年記念のおにぎり駅弁

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

箱根山麓豚とあじわい梅のおにぎり弁当

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昭和のはじめ、丹那トンネルの開業まで「東海道本線」だった御殿場線。始発駅(東京方)の国府津でも、駅弁屋さんは大いに賑わいました。この老舗駅弁屋さんが製造している、駅弁の日30周年を記念したおにぎり駅弁は、地元のご当地ブランド豚のしぐれ煮と名産の梅を使ったシンプルな駅弁です。

313系電車・普通列車、御殿場線・谷峨~山北間

313系電車・普通列車、御殿場線・谷峨~山北間

駅弁の日30周年! 「おにぎり駅弁」特集(第3回/全6回)

沼津からの御殿場線の列車が、春の山北駅に差し掛かります。桜が終わって新緑になれば、丹沢方面への路線バスへ乗り換える人たちでも賑わいます。昔、山北には箱根を越える補助機関車の機関区が置かれていて、鉄道のまちとして栄えました。大正時代は急行列車でも約2時間を要した沼津~国府津間ですが、いまは平成生まれの電車が、短い編成で各駅に停まりながら、約1時間半で軽快に箱根を越えていきます。

箱根山麓豚とあじわい梅のおにぎり弁当

箱根山麓豚とあじわい梅のおにぎり弁当

東海道本線が御殿場回りだった時代、国府津でも駅弁屋さんは繁盛しました。国府津駅発祥で、いまは小田原駅を拠点とするのが東華軒です。日本鉄道構内営業中央会の駅弁の日30周年記念「おにぎり駅弁企画」の東華軒バージョンは、「箱根山麓豚とあじわい梅のおにぎり弁当」(980円)。御殿場線・下曽我駅近くには曽我梅林があり、小田原は“梅のまち”としても有名ですので、やっぱり“梅おにぎり”は欠かせませんね。

箱根山麓豚とあじわい梅のおにぎり弁当

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【おしながき】
・箱根山麓豚のしぐれ煮おにぎり
・梅おにぎり
・銀鮭の塩焼き
・蒲鉾
・玉子焼き
・海老の天ぷら
・桜餅

箱根山麓豚とあじわい梅のおにぎり弁当

箱根山麓豚とあじわい梅のおにぎり弁当

ご当地ブランド・箱根山麓豚のしぐれ煮が入ったおにぎりと、種なし梅のおにぎりが1個ずつ入った「箱根山麓豚とあじわい梅のおにぎり弁当」。おかずにも、焼鮭・蒲鉾・玉子焼きの幕の内“三種の神器”はもちろん、海老天にデザートの桜餅まで入った、ちょっと贅沢なおにぎり駅弁です。東華軒によると、春らしくピクニック気分が楽しめる“おにぎり駅弁”に仕上げたとのこと。封入されている「駅弁カード」では、小田原城が紹介されています。

(注:5/7まで販売予定ですが、数量限定のため、予定数に達し次第、終了となります)

E257系電車・特急「踊り子」、東海道本線・根府川~早川間

E257系電車・特急「踊り子」、東海道本線・根府川~早川間

熱海経由になった現在の東海道本線を、伊豆からの特急「踊り子」号が上っていきます。今週は、伊東・沼津・小田原の期間限定「おにぎり駅弁」をご紹介しましたが、それぞれ列車で1時間以内で行き来できる距離ながら、各駅共に乗っているプレート(北米・フィリピン海・ユーラシア)は違う、地学的にはユニークなエリア。当然、ご飯を炊く水も変わってきます。シンプルだけど奥深い「おにぎり駅弁」。ぜひ各駅を巡って食べ比べたいものです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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