卵料理はまだまだある! 世界のレシピでマンネリ脱出

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料理研究家の塩川純佳さんが、上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務める、ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)にゲスト出演。『新しい味発見! 世界の卵料理』(講談社)の著者である塩川さんに、国内外で食べたさまざまな卵料理の特徴、卵の正しい保存方法などについて聞いた。

卵料理はまだまだある! 世界のレシピでマンネリ脱出

趣味は食べ歩きで、おいしいものがあると聞けば、世界中どこへでも足を運ぶという塩川さん。ジャンルを問わず、世界各国の料理をオリジナルにアレンジしたレシピを考案し、雑誌、広告、企業のレシピサイトや新店の立ち上げなど幅広く活躍しており、料理教室「J's Kitchen」も主宰している。

旅先で出合った現地の味を再現

上柳:塩川さんは『新しい味発見! 世界の卵料理』という本を出されていて、全部で59品もの卵料理が紹介されています。項目が、ゆで卵、目玉焼き、オムレツ、おつまみ、スープ、ご飯、麺、パン、おやつなどがあって、それが世界各国でどのように食されているのか、写真と解説入りで作り方が紹介されています。どこの家庭にも卵はありますから、着眼点がすごくいい本ですよね。いろいろと世界を旅して、この本を作られたのですか?

塩川さん:はい、旅が好きなので。私の場合「旅=食」で、行った先で、その国のものを食べるのが楽しみなんです。お酒が好きなので、ワインがたくさんあるフランスも楽しいし、スペインバルのホッピング(はしご酒)なんかも最高です。

もう母は亡くなっていますけど、親子3代でよく旅をしていて、最後に行ったカリブ海クルーズは印象的でした。カリブ海にはたくさんの島国があるので、その国々に根付いた食があってすごく面白かったです。例えば、セント・マーチン島では北と南で国が違って、フランス領だったりオランダだったりするので、料理にも違いがあって楽しかったです。

上柳:カリブのいろいろな島に降りて、地元の方が行くような食堂に行ったりされたんですね。

塩川さん:そうです。今はなんでも検索できますから、例えばカリブで食べた「コロンボ」というカレーみたいな料理がおいしかったなと思ったら、日本に帰ってから作り方を調べて実際に作ってみるんです。でも、ネットに載っているものと、私が現地で食べた味がちょっと違うことがあるので。実際に食べたときの味に近づけていく作業をして、レシピを完成させていきました。

生の卵が世界でも食べられるようになった

上柳:日本には卵かけご飯のように卵を生で食べる文化がありますが、実は他の国にも生卵を使った料理があるそうですね。

塩川さん:海外で生の卵を食べるなんて、30年前はちょっと怖くて考えられなかったですよね。本当に道端に置かれていたりして、どういう保存状態かわからなかったので。ですが、昨今のグルメブームによって状況も変わってきまして、例えば最近のアメリカでは、高いスーパーではきっちりと商品管理がされていて、すごく安心して食べられるようになりました。

スペインのバルへ行った時のことですが、キノコの料理の上に生の卵黄がのっていたので、本当にびっくりしました。『スペインで生食……』と思ったんですが、普通に皆さんおいしそうに召し上がっていたので驚きました。

上柳:そのきのこ料理というのは、『新しい味発見! 世界の卵料理』でも紹介されている「きのこのプランチャ卵黄添え」ですね。見た目がきのこ丼のようなので、「日本食ですよ」と言われたらそんな風にも見えますね。

塩川さん:「プランチャ」というのは「鉄板」という意味です。「きのこのプランチャ卵黄添え」はバルの料理ですから、作り方も本当に簡単です。ブラウンマッシュルーム、えのき茸、しめじなどのきのこ類や生ハムを、オリーブオイルでちゃちゃっと炒め、卵黄をのせるだけです。ご飯にも合っておいしいですよ。

上柳:卵を生で食べる文化は日本だけでなく、世界にも広がりつつあるのですね。

卵は常温保存より「冷蔵保存」を推奨

上柳:5月になってかなり気温も上がってきましたが、日本では今まで経験したことのないような猛暑が続いたりしています。卵を保存する際も、ちょっと気を付けた方がいいそうですね。

塩川さん:そうですね。卵は保存もきくし、そんなにすぐ冷蔵庫に入れなくてもいいイメージがありましたが、30度を超えてくる日が毎日続くこともあるので、注意が必要です。やはり、サルモネラ菌の心配もあるので、買ってきたらすぐ冷蔵庫に入れることが大切です。

さらに細かいことを言うと、冷蔵庫のドアポケットではなく、冷蔵庫の本体に入れる方がいいです。

上柳:冷蔵庫のドアポケットに、いかにも“ここに卵を置いてください”という場所がありますが、本体に入れる方がいいんですか?

塩川さん:はい。冷蔵庫は開けたり閉めたりしますから、扉部分の温度が一番変わります。

上柳:なるべく、卵は一定の温度で冷やし続けた方がいいのですね。スーパーで卵を買うとパックに入っていますが、パックのまま保存するのか、パックから取り出すべきなのか、どちらがいいのでしょうか?

塩川さん:かさばるかもしれませんが、パックに入れた方がいいです。

日本の卵料理

上柳:簡単に作れる日本の卵料理としては、どんなものがあるのでしょうか?

塩川さん:『新しい味発見! 世界の卵料理』でも紹介していますが、「にらしょうゆ漬けの卵かけご飯」はとても簡単にできます。ニラを細かく刻んで、しょうゆをかけ、煙が出るまで熱した太白ごま油をザッとかけるだけで完成です。

炊きたてのご飯に卵黄をのせ、にらしょうゆ漬けをかけ、白ゴマをぱぱっと振って食べてもいいし、同じレシピで釜玉うどんバージョンもできますよ。

上柳:うどんにかけて食べても、おいしそうですね。

塩川さん:他にも、「めんたまふりかけご飯」もすごく簡単なので試していただきたいです。明太子をほぐして卵と混ぜ、みりんをちょっと加え、炒り卵のようにフライパンで火を通してパラパラにすれば完成です。

上柳:あつあつご飯にかければ、ふりかけご飯になるということですね。

塩川さん:明太子に塩味がありますから、塩もほとんど加えずにできます。

上柳:塩川さんは料理教室「J's Kitchen」も主宰されているのですよね?

塩川さん:自宅での開催なので人数も8名までですが、みんなでワイワイと料理し、最後は試食を楽しみます。夜とか土日なんかは、皆さんワインなどを持って来て各々お飲みになっています。

上柳:なんだか楽しそうな感じですね。男性もいらっしゃるのですか?

塩川さん:男性もいますよ。

上柳:料理ってちょっと理科の実験っぽいといいますか、趣味にしたら楽しそうだなと思うんですよね。

塩川さん:そうですね、料理は趣味と実益を兼ねているのでおすすめです。あと、片付けまでやってくれると最高ですよね(笑)

上柳:そうですよね、それもとっても大事だと思います(笑)

――この他にも番組では、「ギリシャ風卵とレモンのスープ」、タイの「カイジョウ ムーサップ(ひき肉オムレツ)」、インドの「卵のアチャール」など世界各国の卵料理を紹介している。

卵は入手しやすい食材でありながら、体に必要な栄養素がバランスよく含まれ、食生活を支える頼もしい存在。世界各地にはさまざまな卵料理が存在し、その調理法や味つけには、それぞれの地域の食文化が色濃く反映されている。そうした料理に触れることで、日々の献立に新たな選択肢が広がり、日常の食卓をより豊かなものにしてくれるかもしれない。

卵料理はまだまだある! 世界のレシピでマンネリ脱出

料理研究家の塩川純佳さんと、上柳昌彦アナウンサーの詳しいトーク内容は、「食は生きる力今朝も元気にいただきます」特設コーナーHP(https://www.1242.com/genki/index.html)から、いつでも聞くことが可能だ。

番組情報

食は生きる力 今朝も元気にいただきます

毎週月曜・金曜 5:25頃

番組HP

「上柳昌彦 あさぼらけ」内で放送中。“食”の重要性を再認識し、「食でつくる健康」を追求し、食が持つ意味を考え、人生を楽しむためのより良い「食べもの」や「食事」の在り方を毎月それらに関わるエキスパートの方をお招きしお話をお伺い致します。
食の研究会HP:https://food.fordays.jp/

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