日本でも広がる大規模公開オンライン講座「MOOC」って何だ!?

By -  公開:  更新:

日本でも広がる大規模公開オンライン講座「MOOC」って何だ!?

最近、「MOOC」という『大規模公開オンライン講座』が話題になっています。

一流大学が独自の講義をインターネットで無料配信するというもので、ネットがつながる環境さえあれば、世界中の誰でも・いつでも・どこでも、専門性の高い一流大学の講義を「無料」で受けることができるそうです。この「MOOC」には、世界各国の大学が参入。登録者は5,000万人以上。多くの人が学ぶ機会を増やし、ネットを通じて勉学に励んでいます。

mooc

mooc.org | Massive Open Online Courses | An edX Site(MOOCサイトより)

この「MOOC」というのは、言ってみれば「オンライン上の総合学習施設」。その施設に、世界中の様々な大学が「講座」を開講している感じです。開講している講座はMOOCに登録した受講者は、そこから学びたい講義を選択して、講義の動画をオンラインで視聴します。

また それぞれの講義は、1週間、1ヶ月などカリキュラムに沿って進行。ネット上で先生に質問をしたり、試験を受けたり、同じ講義を受けている他の誰かとディスカッションすることもでき、一定の成績を収めれば修了証も受け取れます。

日本でも広がる大規模公開オンライン講座「MOOC」って何だ!?

もちろん大学側も無料で授業を提供するんですから、それなりに狙いがあります。
1つは、世界各地の優秀な生徒・人材を自分の大学に確保しようという狙い。いまや大学も国際競争の激しい状況ですから、各大学が優秀な人材を確保したいと考えるのは当たり前。大学側としては、MOOCを通じて授業を提供することで、成績が優秀な人材を大学に招きたいという思いがあるんです。

実際、MOOCを通じて、「電子回路」の講義を受講したモンゴルの15歳の少年があまりにも優秀であることから、マサチューセッツ工科大学が学費免除で大学に進学してもらったという話は有名です。

また大学側には「データの蓄積」というメリットもあります。
MOOCの授業や試験のデータを蓄積し、分析することで、授業のレベルアップが図れます。これも国際競争を勝ち抜くためのポイントになっていると言えます。世界の一流大学がMOOCに参加しているのには、そういう狙いもあるんですね。

MOOC

JMOOC -無料で学べる日本最大のオンライン大学講座(MOOCサイトより)

そんな世界で広がりを見せるMOOC。日本でも2014年に「JMOOC」という日本版が発足していて、数多くの日本の大学や企業、また官公庁が参入。現在、38万人を超える人たちが登録をして、様々な分野の講義を受けています。まだ3年目ですが、整備が進めば、より登録する人が増えるのではないでしょうか。

ただ…MOOCのWebページなどを見てみると、とにかく難しそうです。専門性の高い講義のタイトルが並んでいますし、しかも海外の場合は英語ですからね。
実際、MOOCの場合、モチベーションが保てないという話もあります。自分で学ぶオンラインなので、よほどヤル気がないと授業を最後まで続けられない。修了証までたどり着いた受講生は10%程度しかいないとも言われています。

まだまだ発展途上ともいえる「MOOC」。JMOOCはまだ3年ですからね。これからどう発展していくかわかりませんが、大学のあり方や教育のあり方がオンラインによって変わろうとしているのは事実です。

MOOC

誰でも、どこでも、広く学べる、深く学べる(MOOCサイトより)

9月21日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

Page top