【ライター望月の駅弁膝栗毛】
雪の中を県都・新潟に向けてひた走る115系電車の快速列車。
新潟では昭和53(1978)年に115系が登場、今も普通列車はもちろん、えちごトキめき鉄道直通の快速などにも充当され、間もなく40年になろうとしています。
私自身は静岡の身延線沿線で育ちましたが、1980年代から数年前まで、国鉄時代に身延線から転属した115系電車が新潟で健在だったこともあり、昔から気になる存在なんです。
新潟の115系電車は、夏は猛暑、冬は豪雪という苛酷な環境で走り続けてきました。
しかし数年前から、新型車両に置き換えが進み、お目にかかることも少なくなってきました。
合わせて、当初の「湘南色」に戻されたり、かつて「新潟色」と呼ばれた赤や黄色の塗色の塗色に変更される編成も登場、今はバラエティに富んだカラーリングとなっています。
車両に関わる皆さんの長年の感謝の想いが、こういった取組みになっているのかもしれません。
そんな115系電車も時々やって来る長岡駅に、華やかな新作駅弁が登場しました。
長岡駅弁を手掛ける老舗「池田屋」が創業130周年記念のスベシャル企画として発売した、その名も「越後長岡 海鮮花火弁当」(1,180円)です。
長岡には以前から花火シーズンの期間限定駅弁がありましたが、これとは少し違った新作。
この駅弁ももちろん、魚沼産コシヒカリ100%の駅弁です。
スリープ式の包装を外し、ふたを開けると、3発の花火がドーン!と打ちあがりました。
カニ花火、うに花火、そしてシャケ花火!
それぞれの花火の真ん中には、いくらがキラキラと輝きます。
特にカニはベニズワイガニの酢漬けを使うことで、程よい酸味となり食欲がそそられます。
鮭は昔から池田屋の十八番、“安定の鮭そぼろ”ですよね。
そして、「おっ!」と思ったのがご飯。
魚沼産コシヒカリ(今は新米!)を、しょうゆで炊き込んでおり、独特の味わいとなっています。
加えて、今回の池田屋新作2作では、華やかな彩りを出す上で、よくある錦糸玉子ではなく、しっかり玉子の味が楽しめるフワッとした食感の「玉子そぼろ」を使っているのが嬉しいところ。
鮭やイクラなどと一緒にいただくことで、甘さとしょっぱさがちょうどいいバランスになってくれます。
ちなみに、この「越後長岡海鮮花火弁当」と前回ご紹介の「魚沼産コシヒカリ弁当」、共に発売早々から売り切れてしまう人気ぶりだそうですが・・・なんと東京駅・祭でも販売があるとのこと。
今までなかなか長岡駅弁に出逢えなかった方も、出逢えるチャンスかも!?
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/