釧路駅「釧路湿原弁当」(1,080円)~北海道の「新富士」も製紙の街

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

キハ283系 特急「スーパーおおぞら」 根室本線 新富士 釧路

キハ283系・特急「スーパーおおぞら」、根室本線・新富士~釧路間

札幌からの特急「スーパーおおぞら」が、キハ283系の7両編成でやって来ました。
札幌~釧路間は、最高時速110km、およそ4時間の乗車時間。
今は車内販売がありませんので、乗車前の駅弁購入が必須の列車です。
新釧路川の鉄橋をゆっくりと渡れば、終着・釧路は間もなく。
「スーパーおおぞら」は気動車ですが、屋根の辺りからモクモクしているように見えるのは?

キハ40 普通列車 根室本線 新富士 釧路

キハ40・普通列車、根室本線・新富士~釧路間

列車ではなく、製紙会社(日本製紙釧路工場)の煙突から上がっているものでした。
釧路も「紙の街」で、明治から昭和初期にかけて静岡県富士郡(現・富士市、富士宮市)に拠点を置いていた「富士製紙」に由来し、根室本線にも「新富士駅」が作られました。
「新富士」というと東海道新幹線の駅を思い浮かべるかもしれませんが、歴史的には北海道の「新富士駅」のほうが古く、釧路市にも「新富士町」という駅名由来の地名があるんです。
(参考:釧路市ホームページ)

釧路湿原弁当

釧路湿原弁当

富士山周辺の製紙業は湧水や富士川などの豊富な水に支えられていますが、釧路の製紙業を支える水は、なんといっても屈斜路湖を水源に持つ釧路川。
その豊かな水を蓄えているのが、なんといっても、日本最大の湿原「釧路湿原」です。
今回は、釧路湿原にちなんで、釧路駅の「釧路湿原弁当」(1,080円)をご紹介。
掛け紙には、キハ283系の「スーパーおおぞら」も見えますね。

釧路湿原弁当

釧路湿原弁当

【お品書き】
・白飯(北海道産)
・えび煮
・ほたて煮
・コーンクリームコロッケ
・鶏唐揚げ
・かに焼売
・金平ごぼう
・煮物(人参、がんも、高野豆腐)
・鮭の塩焼
・昆布巻
・鶏団子
・うずら
・蒲鉾
・厚焼玉子
・いくら醤油漬

釧路湿原弁当

釧路湿原弁当

鮭の塩焼き、玉子焼き、蒲鉾の“三種の神器”が入った、実質的な釧路の幕の内弁当。
ただ、おかずの種類はとても多く、本来はメインを張ってもおかしくない「いくらの醤油漬」が、端役で使われているくらい、何とも贅沢な幕の内です。
シンプルに白飯といくらだけで、和商市場の勝手丼感覚でついつい食べ進めてしまったり?
釧路駅弁「釧祥館」の製造で、メインの売り場は釧路駅改札前のキヨスクです。
週末の釧路駅を観察した印象では、午後以降、店頭に並んでいた駅弁は、ほぼコレ一択。
遅い時間に釧路で予約なしで駅弁という時には、この弁当にありつく確率が高そうです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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