【ライター望月の駅弁膝栗毛】
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飯山線・キハ110系
長野県の豊野と、新潟県の越後川口を結ぶ飯山線。
日本屈指の豪雪地帯をキハ110系気動車がトコトコ走ります。
列車の始発駅・長野から越後川口まで全線を走破すると、およそ3時間から3時間半。
途中駅で15~30分程度停まる列車もあり、昔ながらのローカル線気分もたっぷり。
真冬には除雪による運休もありますが、春先はまだまだ程よい雪景色が楽しめます。
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森宮野原駅
飯山線の中でも特に雪深い駅として知られるのが、長野県栄村の森宮野原駅。
実は森宮野原駅は、昭和20(1945)年2月に駅における最高積雪量「7m85cm」を記録した駅で、その標柱が駅構内に建っています。
駅前には東日本大震災直後に起きた長野県北部地震で大きな被害を受け、仮設店舗として営業している「がんばろう栄村 駅前店」があり、食料・飲み物・土産も買うことが出来ます。
特に長野駅10・12時台発の下り列車は、森宮野原駅で長めに停まるのが嬉しいところ。
私が乗車した列車は16分停車でしたので、栄村産の「ゆべし」を美味しくいただきました。
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木島平の太鼓判弁当
さて、飯山線沿線の駅弁の中でもニューフェイスとして、じわりじわりと人気を集めているのが、飯山駅で販売されている「木島平の太鼓判弁当」(1,300円)。
去年秋の「駅弁味の陣 2017」に合わせて登場した駅弁です。
長野県木島平村の「農村木島平」が作っており、飯山駅2階・在来線改札脇の売店、および1階の「New Days」で、午前10時頃から販売されています。
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木島平の太鼓判弁当
【お品書き】
・村長の太鼓判(最高品質のコシヒカリ)の笹寿司
・もりもりもちのきのこおこわ
・福美鶏の味噌つけ焼き
・信州サーモンのつぶら揚げ
・常盤牛蒡の煮物
・みゆき野卵の二色焼
・季節の地元野菜
・副菜
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木島平の太鼓判弁当
「太鼓判」という名前は、木島平が育んだお米、「村長の太鼓判」にちなんだもの。
「村長の太鼓判」は、米のオリンピックと呼ばれる「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で9年連続金賞に輝いた木島平米の中でも、高品質なコシヒカリを厳選したものなんです。
「農村木島平」によりますと、発売以来「冷めても美味しい」と評判を呼んでおり、リピーターの方も増えているといいます。
確かにコシヒカリらしい深い甘みが感じられ、お米好きにはたまらない感じ。
信州産の地元食材を使ったご馳走を、種類たっぷり、ちょっとずつ食べられるのは、やっぱり嬉しいものですよね。
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飯山線・キハ110系
「木島平の太鼓判弁当」の飯山駅における販売個数は、日によって差はあるものの、概ね1日20個ほどで、ほぼ昼前後には完売してしまうとのこと。
野沢温泉の帰りなど、確実に入手したい場合は「農村木島平」(電話:0269-81-4401)へ予約しておくことをお勧めします。
ディーゼルカーの車窓に広がるのどかな雪景色を眺めながら、信州の味をのんびり味わってみてはいかがでしょうか。
連載情報
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ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/