【ライター望月の駅弁膝栗毛】
国鉄からJRになって30年あまり。
JRグループで初めてとなる特急用車両を作ったのが、実はJR九州です。
昭和63(1988)年3月13日、青函トンネル・瀬戸大橋開業に合わせた、いわゆる“一本列島”のダイヤ改正で、JR九州は783系電車「ハイパーサルーン」を登場させました。
早くも今年で登場から30年、今もなお、九州各地の特急列車として活躍しています。
783系電車の特徴は、何と言っても車両の真ん中にドアがあることです。
当時、特急列車のドアといえば、車端部に1~2か所というのが普通でした。
それだけに、この奇抜なドアの配置は、大いにインパクトがあったと記憶しています。
ちなみに783系電車のデビューは、博多~西鹿児島間の特急「有明(ハイパー有明)」。
今も2往復ながら、特急「きりしま」として、鹿児島中央駅に顔を出しています。
平成4(1992)年の「つばめ」登場まで、鹿児島本線のエースとして活躍した783系「有明」。
普通車でもハイデッカーになった個所があるなど、かなり贅沢な作りとなっていたものです。
そんな「有明」も停まっていた出水を拠点に、鹿児島・九州の駅弁を手掛けている「松栄軒」から、今回は「贅沢肉めし重」(1,150円)をご紹介。
鹿児島の名物、黒豚と黒牛を一緒にいただくことが出来る肉めしです。
【お品書き】
・味付け飯
・黒豚たれ焼き
・黒牛すき焼き
・すきやきごぼう
・紅生姜
・刻み海苔
・ごま
松栄軒自慢の赤ワインで仕込んで焼き上げられた黒豚のたれ焼き。
そして、和牛日本一にも輝いた鹿児島のA4ランク以上の黒牛を鹿児島産の醤油と酒ですきやき風に仕上げ、1つの重にギュッと詰め込みました。
ゴマ、紅生姜が載った肉と味ご飯の間に刻み海苔が振られ、風味よく食欲がそそられます。
JR九州の車両と同じように、日常に“プチ贅沢”を演出してくれそうです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/