【ライター望月の駅弁膝栗毛】
“乗った時からそこは伊豆”をコンセプトに開発されたJR東日本の251系電車。
特急「スーパービュー踊り子」として、平成2(1990)年から30年近く活躍しています。
ただ、今年度に入って伊豆方面への新しい観光特急・E261系電車のデビューや中央線特急からE257系電車の転属が公式に発表されました。
車両の世代交代の時期を迎え、特急「踊り子」号の動きには要注目です。
今年は5/19(土)、20(日)の2日間で開催された「グランシップトレインフェスタ2018」は、静岡エリアの駅弁屋さん6社が年に1度集結する、駅弁好きには外せないイベントです。
東伊豆の海岸線を走るJR伊東線・伊豆急行線も、静岡を代表する鉄道の1つ。
その境界駅・伊東から、おなじみの「祇園」が5/19限定でトレインフェスタに出店しました。
JR系の駅弁屋さんだけで「1県6社」というのは、今や全国的にも貴重な風景です。
祇園の看板駅弁は、何と言っても「いなり寿し」(620円)!
伊東温泉で昭和21(1946)年に誕生、昭和34(1959)年からは伊東駅の駅弁として販売され、旅館や土産店など忙しい方の味方として、軽くつまめるいなり寿しが重宝されてきました。
各社の駅弁がたくさん販売されているトレインフェスタの会場でも、「いなり寿し」1本勝負で、祇園の「いなり寿し」目当ての方が次々と訪れ、昼には完売と相成りました。
揚げの甘みと、酢飯の酸味のバランスが絶妙な祇園のいなり寿し。
加えて、揚げにしみ込んだジュワっとした煮汁の食感がクセになる感覚です。
その煮汁の元となる、伊東の街が誇る「水の美味しさ」も大事なポイント。
最近では、TVのブラタモリでも伊豆半島のユニークな地質や、その地質が育む美味しい水が注目されていますが、大室山に代表される“火山が育む街”だからこその水であり、伊東の「いなり寿し」もまた“火山の恵み”の1つではないかと思えてくるものです。
「グランシップトレインフェスタ2018」には、静岡県内の鉄道各社も出展。
私鉄では伊豆急行、伊豆箱根鉄道、岳南電車、静岡鉄道、大井川鐵道、遠州鉄道、天竜浜名湖鉄道の各社がブースを構えました。
リゾート21でおなじみ「伊豆急行」のブースでも様々なグッズが販売され、人気を博しました。
明日はいよいよ箱根を越えて、三島・沼津へと参ります。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/