【ライター望月の駅弁膝栗毛】
今年も夏の「青春18きっぷ」のシーズンが始まりました。
「青春18きっぷ」(11,850円)は、全国のJR線の普通・快速列車が1回あたり2,370円で、1日乗り放題となるきっぷで、1人で5回分、または5人までのグループ利用も可能です。
“青春18”と銘打っていますが、年齢には関係なく、誰でも利用することが出来ます。
列車本数が多い東海道本線は利用しやすく、その気になれば8~9時間ほどかかりますが、東京~大阪間を2,370円で移動できるのは、大きなメリットといえましょう。
「青春18きっぷ」を使った乗り継ぎ旅で、1つのポイントは「食料の調達」。
最近は駅ナカにコンビニがある駅も多く、東海道本線の普通列車を観察していますと、乗り継ぎの短時間で手にしたと思しきコンビニの包みを手にしている姿も散見されます。
でも、せっかく旅に出たなら、その土地でしか手に入らないものをいただきたいところ。
例えば、静岡駅弁「東海軒」の「サンドイッチ」(340円)は、鈍行旅派にも強い味方です。
東海軒の「サンドイッチ」はなんと、明治33(1900)年生まれ!
日本初のサンドイッチ駅弁(大船)の翌年にはあった、歴史あるサンドイッチ駅弁なのです。
しかも、包装のサンドイッチのロゴはレトロな雰囲気で、玉子とハムだけのシンプルな構成。
個人的には、特にこの玉子が秀逸で、パンのふんわりとした食感と相まって、この余韻があれば、1時間くらいあっという間に経ってしまいます。
ちなみに、このサンドイッチのキャッチフレーズは、“ノスタルジーも味わえる駅弁”。
120年近く紡がれてきた歴史とノスタルジーを「340円」で味わえると思えば、とてもお得です。
様々な方が「青春18きっぷ」乗り継ぎ旅の紹介をされていますが、東海道線静岡地区では、しばしば始発列車が多い興津駅や島田駅などでの乗り換えを推奨するケースが多いもの。
ただ、これらの駅には、残念ながら駅弁の販売がなく、列車に座ることが出来ても食料の調達が難しくなり、お腹を空かせたまま移動しなければならない側面もあります。
あくまでもマニュアルは参考程度に、旅の味付けは自身で楽しんでみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/