【ライター望月の駅弁膝栗毛】
小さい頃、列車の先頭車両で、前面展望を眺めた経験をお持ちの方も多いと思います。
私自身も、身延線の旧形国電で運転台越しに眺める富士山が大好きでした。
後に115系電車が入ると運転台が高くなり、前が見えなくなって残念だった記憶があります。
JRになって211系電車が入ると、助士席側の窓が拡大され、前面展望が楽しめるように。
東海エリアの211系の多くは、この助士席後ろの2人掛け席が“特等席”なんですよね。
先頭車の運転席直後で前面展望を楽しむことを“かぶりつき”といったりしますが、かぶりついて美味しいのは、やっぱり肉料理!
静岡駅弁「東海軒」も、最近は元気が出そうな肉駅弁のラインナップを充実させています。
その1つが「三元豚生姜焼重」(780円)。
三元豚は3つの品種を掛け合わせた豚肉で、最近はブランド化されたものも多いですね。
【お品書き】
・白飯
・三元豚生姜焼
・玉子焼
・香の物
「冷めても柔らかい」を実現しているのが、駅弁屋さんの生姜焼き。
甘めの生姜だれもたっぷり、どんどん箸が進みます。
暑さが厳しく、食も細りがちな時期だけに、食欲をそそってくれる弁当は有難いもの。
そして、安価でしっかりスタミナを提供してくれる豚さんにも心からの感謝です。
ご当地性が強くない“普通の駅弁”が成り立つのも、需要豊富な東海道の賜物ですね。
東海道本線の普通列車で211系とコンビを組む313系電車は、運転席直後の座席こそありませんが、前面展望がたっぷり楽しめる車両です。
私はロングシートの車両でも駅弁をいただきますが、1つの基準は「立っているお客さん」。
立っているお客さんがおらず、シートにも空席がある程度なら、駅弁も大丈夫かと思います。
また、予め、通る街の人口規模を押さえておけば、人の流動もある程度読めるもの。
頭を使いながら、イロイロな楽しみ方が出来るのが、普通列車の乗り継ぎ旅なのです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/