富山駅「ますのすし 小丸」(900円)~駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.11「源」編(5))

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

W7系 はくたか 北陸新幹線 黒部宇奈月温泉~富山間 新幹線

W7系「はくたか」、北陸新幹線・黒部宇奈月温泉~富山間

富山県魚津市の扇状地をトンネルと高架橋で貫く、北陸新幹線・W7系「はくたか」号。
「魚津」という地名は、魚がよく獲れる場所(港)から生まれたといわれます。
回りを海に囲まれた島国にとって、魚は昔から生きるための糧となってきたわけです。
そして、鉄道が人と人とを結びつけるように、魚もまた人と人とを結びつけるアイテム。
特に魚は日本国内にとどまらず、世界各国との結びつきのカギを握るものです。

(参考)魚津市ホームページ

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ますのすしミュージアム「ますのすし手作り体験」

富山を代表する魚の食文化「ますのすし」を手掛ける「」に密着している、「駅弁屋さんの厨房ですよ!」の第11弾。
前回、ますのすしミュージアムにおける「ますのすし手作り体験」の模様をご紹介しましたが、今回はその体験に参加された南太平洋の国々の方に伺った感想をご紹介します。
海外の方は、日本の「ますのすし」、そして駅弁文化をどのように感じているのでしょうか?

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トト・フランジェラさん(キリバス共和国、漁業・海洋資源開発省)

伺ったのは、キリバス共和国の漁業・海洋資源開発省、トト・フランジェラさん。
キリバスは、南太平洋にある、東西およそ4,000km、人口11万人あまりの島国。
国土の合計は730万平方kmで、日本の対馬とほぼ同じくらいの面積があります。
基本は東経180度の日付変更線が東側にグイッと突き出した辺りに浮かぶ島々で、漁業が大切な経済資源となっています。

―日本の「寿司」はご存知でしたか?

キリバスにも「お寿司屋さん」があります。
1つ、4オーストラリアドル(およそ320円)ぐらいで食べられます。
ただ、「寿司」を作るのは初めてでした。

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トト・フランジェラさん(キリバス漁業・海洋資源開発省)

―「ますのすし」を作ってみていかがでしたか?

とても面白くて、楽しかったです!
(作った直後ということで)今すぐにでも食べたいです!!
作業自体は、特に難しいものではないのですが、「ますのすし」を作るテクニックに感銘を受けました。

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ますのすし 小丸

―「ますのすし」作り体験を通じて、ご自身の国の水産行政に活かせそうな点は?

キリバスでは、マグロやキジハタといった魚がよく食べられています。
でも、それを加工して、製品化するというところまでいっていません。
キリバスにも寿司をいただく文化はありますので、このように簡単に加工できるのであれば、魚を使った加工品の製品化に向けて、いいアイディアになりました。

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ますのすし 小丸

―ちなみに、日本では「ますのすし」は、「駅弁」として広く知られているんですが、「駅弁」・・・ご存知でしたか?

「Ekiben」??? 初めて知りました!
キリバスには、鉄道が無いんです。
でも、「弁当」という文化は、非常にいいものだと思います。

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ますのすし 小丸

「ますのすし手作り体験」で作られる「ますのすし 小丸」は、通常900円で販売されており、「ますのすし(一重)」より、ひと回り小ぶりの曲げ物に入ったタイプ。
あの丸い「ますのすし」を1人でも食べたい!という時に最適です。
盛り付けた時のご飯の量は200gですが、ギュッと押されているので、ますとお米のうま味が凝縮され、笹の香りと共に、あっという間にいただくことが出来るのが嬉しいですね。

キハ40形気動車 氷見線 雨晴~越中国分間 キハ40形 キハ

キハ40形気動車、氷見線・雨晴~越中国分間

JICA北陸による招へいで富山にやって来た南太平洋6か国の漁業関係者の皆さんは、およそ1週間にわたって滞在し、氷見市や射水市などの漁業施設も視察されたということです。

和食が世界でも注目を集める昨今、今回お逢いした皆さんが「ますのすし」作りを楽しまれる様子を見て、私も改めて「寿司」は海外の皆さんにとっても“日本らしさ”を感じることが出来る食べ物、そして大きなパワーを持った食べ物だと感じさせられました。
なれずしに始まる日本の寿司文化を、駅弁「ますのすし」として継承している「源」。
一体、どんな思いを駅弁に込められているのか、次回からは「源」の源和之社長に、直接伺っていきますので、お楽しみに!

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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