【ライター望月の駅弁膝栗毛】
中央本線・高尾以西の普通列車として活躍する211系電車。
国鉄末期の昭和61(1986)年にデビューした車両で、いまは主に甲信・北関東で活躍中です。
中央線の211系は、東海道線で活躍していた車両も多く、クロスシートの編成もあります。
クロスシート・ロングシート、どちらの車両が来るかは東海道線時代同様、その日の運用次第のようですが、高尾~松本・長野をロングランする列車なら、クロスシートが嬉しいものです。
現在、“信州色”と呼ばれる淡いブルーとグリーンの帯を巻いて活躍する211系電車。
中央線の6両編成の普通列車の場合、高尾~上野原・大月間、朝夕の甲府周辺を除けば、概ねゆったりとしていて、駅弁を食べやすい環境が整っているように思います。
そんな中央線に乗って、味覚で秋の“信州”を感じるなら、小淵沢駅「丸政」の秋季限定駅弁「信州牛と松茸ごはん」(1,350円)かもしれません。
【お品書き】
・松茸ごはん(松茸、平茸、細竹)
・信州牛牛肉焼
・煮物(松茸、銀杏、人参、しめじほか)
・錦糸玉子
・あつみかぶ酢漬け
“松茸ごはん”と、丸政“十八番”の信州牛を使った炭火焼肉の組み合わせ。
銀杏や紅葉形にカットされた飾り人参が、秋らしい彩りを醸し出しています。
なかでも、松茸をはじめ、しめじ 、平茸など、きのこ多めなのが信州らしい感じ 。
秋、信州の温泉に泊まると、きのこたっぷりの食事が出てくることを思い出させてくれました。
信州牛ときのこを行ったり来たりする感じが、暑かったり、寒かったりを行ったり来たりする、秋の深まりとオーバーラップされて、食べながら秋を満喫している気分になってきました。
秋の日はつるべ落とし、あっという間に日が暮れていきます。
景色を楽しむなら昼間の列車ですが、夜が長い時期は“夜汽車気分”を味わうのもアリ。
特急列車に乗って、どんどん流れていく街の灯りを眺めるのもよし。
普通列車のクロスシートに身を委ね、暗闇と窓ガラスに映る自分の姿をぼんやり眺めて、旅愁を感じるのもまたよし。
やっぱり秋は、旅の季節ですよね!
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/