【ライター望月の駅弁膝栗毛】
岡山駅を朝9時過ぎ、新大阪に向けて発車していく、山陽新幹線の「ひかり442号」。
「ひかり442号」は、時刻表に“ひかりレールスターで運転”と案内される希少な列車です。
平成12(2000)年のデビュー以来、コンセント付きのオフィスシートや個室など、充実の設備で高い人気を誇った「ひかりレールスター」ですが、現在、新大阪~博多間を「ひかり」として運行する列車は、わずかに1往復のみとなっています。
その後を追うように駆け抜けていったのが、熊本始発のN700系「さくら540号」。
平成23(2011)年から山陽・九州新幹線の直通運転が始まったことで、ひかりレールスターの役割を、主に「さくら」号が担うようになりました。
「さくら」号の普通車指定席も、レールスターを踏襲した2列―2列のゆったりとしたシート。
列車は変わっても、コンセプトはしっかりと受け継がれているといってもいいでしょう。
新幹線の車両は、最高時速300km、東京~博多間であれば片道1,000km、往復2,000kmを毎日のように行ったり来たりする訳で、改めて“タフ”な存在だなぁと感じます。
そんな毎日高速で駆け抜ける新幹線のように元気が出そうな駅弁が、岡山駅弁の「三好野本店」から登場しています。
今年9月1日発売の新作、「おかやま豚スタミナ重」(1,000円)です。
【お品書き】
・白飯
・岡山県産「桃太郎ポーク」のスタミナ焼き
・岡山県産豚肉の角煮
・厚焼き玉子
・人参煮
・さくら漬け(漬け物)
・七味
メインは白いご飯の上に載った岡山県産・桃太郎ポークのバラ肉を使ったスタミナ焼き!
にんにく醤油だれで味付けされていることもあって、食欲がそそられます。
お好みで付添の七味をかければ、ピリ辛な味わいも楽しめます。
おかずにも岡山県産豚のもも肉をじっくり煮込んだ角煮が入っているのが嬉しいところ。
量も程よく、桃太郎のように、しっかりと元気をいただくことが出来ました。
「ひかりレールスター」の車両・700系新幹線電車(7000番台)は、短い8両編成。
現在は、新大阪~博多間の各駅に停まる「こだま」号が活躍の中心となっています。
「こだま」には車内販売が無い分、駅での停車時間が長い列車も多くあります。
ということは、その時間を使って、駅弁を買い求める楽しみも生まれるという訳です。
“レールスター”のシンボルマークを付けながら、「こだま」としても頑張る700系新幹線。
いつまでも利用者の“スター”であってほしいものです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/