【ライター望月の駅弁膝栗毛】
昭和30年代~40年代の気動車のカラーリングを施され、懐かしい雰囲気を漂わせて、岡山駅を発車していくのは、JR西日本のキハ47形「ノスタルジー車両」。
特に週末・土曜日は、津山線の快速「ことぶき」号を中心に岡山9:42発・13:05発、津山7:53発・11:31発などの列車に充当され、国鉄時代の汽車旅を演出しています。
ボックスシートのテーブルには「センヌキ」も設置され、昔の瓶コーラなどを楽しめます。
一方、平成28(2016)年から宇野線(宇野みなと線)、瀬戸大橋線などで、週末を中心に運行されている観光列車が、213系電車を改造して生まれた「ラ・マル・ド・ボア」。
今季は12月まで岡山を起点に、毎週土曜が「ラ・マルせとうち」として宇野へ、日曜に「ラ・マルしまなみ」として尾道へ、祝日は「ラ・マルことひら」として瀬戸大橋を渡り、四国・土讃線の琴平まで足を伸ばしています。
岡山の2大観光列車として人気を集める「ノスタルジー」と「ラ・マル・ド・ボア」。
ボックスシートやリクライニングシートに腰かけたら、やっぱり駅弁が恋しくなります。
岡山の“2大ご当地グルメ”といえば、やっぱり「えびめし」と「デミカツ丼」!
この2つのグルメが一緒に食べられる「岡山名物 えびめしとデミカツ丼」(950円)が、岡山駅弁「三好野本店」から販売されています。
【お品書き】
・えびめし
・ボイル海老
・錦糸玉子
・白飯
・三元豚のローストンカツ(デミグラスソース)
・キャベツコンソメ煮
・刻み昆布と蓮根の煮物
・さくら漬け(漬け物)
岡山を代表する洋食ともいわれる「えびめし」は、カラメルソースとケチャップを合わせて、スパイスをきかせたソースを使ったユニークな焼飯のこと。
一方、「デミカツ丼」は、とんかつにデミグラスソースをかけた岡山のご当地丼です。
どちらの料理も、東京に縁を持ち、岡山で独自の発達を遂げた経緯を持ちます。
どこか懐かしくて、ちょっぴり都会の香りがするノスタルジックなご当地グルメ。
ちなみに、例年6~12月はこの非加熱タイプ、1~5月は加熱式になるとのこと。
“冷めても美味しい&温めても美味しい”、駅弁版のえびめしとデミカツ丼です。
(参考)岡山観光WEB
岡山で駅弁を食べたいけれど、なかなか観光列車の運行時刻のタイミングと、自分の旅行日程が合わないという方も少なくないと思います。
その点、瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」は毎時2~3本の運行があり、多くの列車にグリーン車・普通車指定席が連結されているので、駅弁向きの列車です。
在来線のゆっくり移り変わる車窓と共に味わう駅弁もまた格別ですよ!
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/